innocence/guilty(未修正版)

□第6章
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俺は何の為にここに居るんだ?
「だから最後に作ったのはボクだってば!」
「いーや!オレだったね!お前脳味噌ボケてんじゃねぇのかっ!?」
もちろん、ある使命でこの2人に付いて来て居るだけだ
「だいたいボクが作ったカレーは物体Xになるんだから!」
「喰えりゃいいんだよ、喰えりゃ」
が…
「ふぅ〜ん…こないだボクの作ったのに散々ケチ付けてくれたよねぇ?」
「あれは今まで食べた事の無い味がしたから…てかまともな食材をどうやったらあそこまで変えられるんだよ!?
生命の危機を感じたんだぞオレはっ!」
これはあまりにも…
「キミだってアウルベアの皮剥いで食べようとしたクセに」
「人間その気になれば何でも喰えるん…」
「っあーっ!もういいかげんにして下さいよ2人共!食事なら俺が作りますからっ」
一喝して黙らせると2人共なんとも珍妙な面持ちになった。
「…お前が? 料理?」
「アウルベアの肉よりマシです。」
冷やかに言い放つと、彼等は急に憑物が落ちた様にしんとなった。
「ゴメン、大人げなかったよね…」
「ちゃんと順番が来たら作るから…悪かった」
「まったく…」
小言を言いながら魔法で火を付ける、俺はあなた達の母親じゃ無いんですから。

数十分後、一行は冷たいスープ(夏季限定)に、リンドバークから持ち出して来たパンで遅めの昼食を取った。
普段は固形の携帯栄養食があるのだが、何があるか分からない旅の事だ。生ものから消費した方が良い
「ひょれにひへも」
「ちゃんと飲み込んでから喋れ、バカたれ」
 ごっくん
「それにしても、まだ着かないのかなぁ?リンドバークを出発してもう3日目だよ?」
「磁場等も狂っていないようですから、このまま何事も無ければあと数時間もあれば辿り着ける筈です」
「何事も無ければ…だけどな」
イヅキさんが口に木のスプーンを咥えながら辺りに鋭い視線を向ける先には…
『ブモッ』
「飯くらい落ち着いて喰わせろっての」
彼は立ち上がって剣を構えながら薄くくちびるを吊り上げた。
 『キュイィィン!』
 バッ
「えっ?あ――っ!ボクのパン!」
「〈ボーア〉と…〈イグルス〉ですかね、あれは?」
「やったなぁ〜??」
リオンさんはぴょんと立ち上がると、高い雄叫びを挙げて勝ち誇った様に頭上を旋回しているマモノに狙いを合わせた。
「返せ――っ!!」
食べ物の怨みは恐ろしい…
意思とは関係無く引きずり下ろされるモンスターを見て思った。
「っと…」
今度は俺が素早くモンスターの落下地点に入り込む、ボヤけいた飛行物体(目悪いんだよ、俺)がだんだんとハッキリしてくる。
 ガスッ!
背骨に狙いを定め、確実に蹴りを叩き込む。落下の勢いも相乗して、綺麗にカウンターが決まった。
 パシッ『ブモ…』
吹き飛んだパンをリオンさんがキャッチするのと、イヅキさんがボーアに止どめを刺すのはほぼ同時だった。
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