innocence/guilty(未修正版)

□第4章
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「着イテシマッタ」
何故かカタコトで発言したオレはある建物の前に腕を組んで佇んでいた。
一見、柔道場…しかし横に有る看板には『おいでませ』としか書いていない
そして全体的に近寄りがたいオーラが噴出していて、道行く人も目を背ける…そんな場所だ
「ますます怪しさに磨きが掛かって来たなぁ …入るか…モットーモットー」
なんだか誤解されそうな看板を横目に覚悟を決めて、のれん(なんでこんな物が掛かってるかも謎だが)をくぐる。
「……………。」
しかし、入ったはいいが人気が無い…
「…? 留守か?」
 ヒュッ…!
「!!」
 ガキンッ!
後ろに殺気を感じ、反射的に剣で受け止める。
「相変わらずいいカンしてんなぁ、イヅキさんよ」
「そういうアンタも相変わらずだなノザ、客を倒してどーする」
そう、この不意打ちの犯人こそが、この店の主人なのだ。
チョビヒゲ、ハゲ頭にハチマキをした店のオヤジは豪快に笑った。
「あんな一撃、気付かないようなヤツの剣なんざ研げるかってんだ!ガハハハハッ!!」
半分あきれながら問い掛ける
「そんなんで食って行けんのか?客を選んでて」
「気にするな、半分道楽でやってんだ」
「なるほど」
ここでようやく本題に入る
「ノザ、研ぎを頼む、後微調整もだな…握り手をもう少し長くして…」
「おぅよ!…って」
やべっ…!
布で包んで隠しておいた刀身が、ほどけて見えてしまった。
「お前この刃こぼれは…」
入口にダッシュするがもう遅い、ノザにヘッドブロックを掛けられていた。
「いっ…いでででで!!離せコラ!たこオヤジ!!」
「てめぇー…あんな名剣、刃こぼれさせるなんていい度胸してんじゃねぇか…」
ドスの効いた声が死刑宣告に聞こえる…
「だからここは嫌だったんだぁぁぁ!!」
 ギリギリギリ…
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