innocence/guilty(未修正版)

□第2章
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「ゴッズ!」
「ん? おぉ!イヅキ!!」
日に焼けた顔の青年はイヅキの言葉に反応してこちらを向いた。
「ゴッズ!セリはっ…!!」
性急に尋ねるイヅキの肩に手を置き、ゴッズは見る者を暖かくさせる様な笑顔で答える。
「安心しろ…セシリアはまだ生きている」
「…間に合ったんだな」
「あぁ…それでこちらのお嬢さんは?」
「例の黒ローブご所望の奴だ」
その言葉に憤慨する。
「リオンだよ!物じゃ無い!」
「へぇ〜…てっきりどんな大女かと思ってたら…」
「?」
ゴッズはその独特の茶色の瞳をボクの顔に向けると…
「結構かわいいじゃん。
…イヅキ、実はそーゆう趣味があったのか?」
「ばっ…誰が!!///」
「ははっ!冗談だ」
そうやってふざけ合う二人の間には…ボクが手に入れられ無かった『なにか』があった様な気がした…
「とにかく!オレはセリに会ってくる!!」
ゴッズのからかいから逃げるかの如く、村の方へ駆け出していくイヅキの後ろ姿を見送りながら
「まったく…君がいなきゃセシリアを救えないって事をすっかり忘れてるな…あいつは。相変わらずそそっかしいと言うか猪突猛進と言うか…」
ゴッズはあきれた感じで苦笑しながらつぶやく。
「セシリア、って名前の子なの?」
「そう、セシリア・キュロスって言ってさ、綺麗な娘なんだな、これが。
全くイヅキが羨ましいよあんな娘と婚約してるなんて」
「婚約?」
「おっとごめん、聞いちゃまずかったかい?」
「ううんっそんなこと無いから!!」
そして彼はふと笑うと
「なぁ、リオン…イヅキは笑っていたか…?」
「え…?」
突然の質問に少し困惑する
奇妙な沈黙を破る様に慌てて言う。
「も…もちろんザマスよっ!!わたくしヤツに笑われて全くもって心外…」
…しまった…これじゃ変人確実だ;
「あ、いや、今のは…っ」
そんなボクの動揺っぷりをゴッズはポカンとした顔で見ていたが、突然タガが外れた様に笑い始めた
「アハハハハっ!!なるほどよく判ったよ!君とならあいつだって笑うや!」
「〜〜〜///////」
「いや、悪い悪い。からかった訳じゃないんだよ、なんと言うか…君には人を朗らかにさせる力でもあるみたいだね」
「ボクにそんなチカラなんか…」
「いや!そうじゃなきゃ、あの【偏屈家のランス君】が村の外の人に笑うなんて事、ありえないね」
ランス…ってのはイヅキの名字の事かな?
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