innocence/guilty(未修正版)

□第10章
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「静かに流れ行く水面…我らは釣糸を垂らしただひたすらに待っていた」
「もう限界だ…諦め掛けたその時っ!激しい糸の引きが…!!」
「引きがぁ〜〜…っ!」
「こねぇよ」
冷静に言い放たれた現実。
「てか実況中継するな」
「お腹減ったよぉ〜…」
「釣れませんねぇ…」
ボクは脱力した声を出して空を見上げた。
「少しは我慢しろ、忍耐力ってもんが無いのかお前には」
「………。」
 ぐゥゥゥ…
「…キミだって空いてるんじゃないか」
「…るせぇ////」
「うぁー何で釣れないんだろ?」
「一応聞くが、エサ付けてる…よな?」
「失礼だな!ちゃんと付けてるよっ」
「では釣り糸に怨念が憑いているとかでしょうか?」
 ドゲシッ
「何言ってんのよ!無駄口叩いて無いでバカバカ釣りなさい!まだ一匹も釣れてないじゃ
ない!」
釣り糸を提供して、釣るのはしていなかったヒノエが飛び蹴りをエクスに向かって入れ
る。
「…一番忍耐力の無さそうな奴だな」
スッと、二回目の蹴りをエクスがかわす。
 チチチチ…
「はぁ…」
 サラサラサラ
「平和だねぇ…」
「そんなボケたセリフ言うな…」
みんなして空を眺める。白い雲がわたあめに見えてしまうボク。もう一回食べたいなぁ…
「おじいさんは山に芝刈りに、おばあさんは川に洗濯に…」
「やめろι」
「モモでも流れて来ないか―」
…幻だ。だって言った途端に流れて来るハズなんか…
しかし能力で引き寄せてみると、確かにそれはモモだった。
「ねぇみんな、モモが…」
「な〜にアホな事言ってんのよ」
「幻覚ですよ」
「! 今度はひ…人が流れて来る!」
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