innocence/guilty(未修正版)

□第8章
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梟が鳴く深夜の森の中。
イヅキさんは木の幹に寄り掛かって瞼を閉ざして居る。
視線を右に動かすと、焚き火後の近くで横たわっているのはリオンさんとキサラギ。両者ともピクリとも動かない。そんな彼らは

『返事が無い まるで屍の様だ』

「誰がだ誰が;」
「勝手に殺すんじゃ無いわよ」
「…シカバネ?」
それぞれ個性豊かな反応が返ってきた。
「やっぱり…眠れないんですか?」
「あぁ…」
「何て言うか…ピリピリすんのよ、空気が」
異様な程に張り詰めた空気に寝るに寝られない、そんな感じだった
「それにリオンさん、この気配は…」
「うん、忍の里の入り口で会った…」
正体不明のマモノの気配だった。
「うぅ…眠れないよぉ…」
イヅキさんが少し緊張を緩めて言う。
「でもまぁ…襲って来る気配は無さそうだな、寝てていいぞ。見張ってるから」
確かに、この殺気は俺達に向けられているのでは無さそうだった。
「でも…」
「何だ?子守歌が無いと眠れないのか。」
「違うっ!///」
「イヅキさんの子守歌じゃ寝ついた子供も泣き出しますね」
「あら私だったらイヅキ様に添い寝してもらうだけであっちの世界にブっ飛ぶわよ?」
「…お前は例外だ;」
「?空気が軽くなったよ?」
そうこうしている間に殺気は収まった
「何だったんだ?人騒がせな…」
「全くですわね、睡眠不足はお肌の美容に大敵だっていうのに…」
「まぁ良いじゃないですか、何事も無くて」
「ZZzz。。..」
再び森の喧騒が蘇る。これからの為にもここはキッチリ寝て置く事にした。明日にはサウスミレットに着く筈だから…
瞼を綴じる前に見た、イヅキさんの何処かに向ける異様に鋭い視線が気になった。
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