innocence/guilty(未修正版)

□第7章
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「それで次の目的地ですが…」
森の中。ボクの横を歩いて居たエクスは大きな木で分かれた道で立ち止まった。
「右に行くとノースミレット。左に行くとサウスミレットです」
「? 同じ街じゃ無いの?」
ノース(北)とサウス(南)…だよね?
「山で分かれてんだよ、イムとレストみたいにな」
ボクの頭の中をグルグルと地形図が回る。なるほど
「へぇ〜 で、どっちに行くの?」
「まぁ、どちらに行っても結局両方に行ける事になるんですが…」
「へ?」
さっきの想像図にエクスを登場させてみる。
ノースミレットに居る彼が山を挟んだ南側に行くには…
ボクはポンっと手を打った。
山越え谷越えやぁ〜ってきたぁ〜っとなぁ♪
「なるほど!でも疲れるね」
「お前、何か激しく勘違いをしていないか?」
真顔でイヅキにツッコまれる、ムッ…
「普通に山を越えてくんじゃないの?」
「山越えなんかで一般市民が行き来できるかっての」
「〜何だよ、ならイヅキは知ってるの?」
「飛行船か何か出てるんだろ?」
即答だし
「当たりです。」
しかも当たりっ!?
「あの街は風の神の恵みを受けて居まして、住民全員が『風』属性のみですが生まれた時から魔法が使えると言う所なんです。
飛行船はその特性を生かして…って聞いてますか?リオンさん」
ボクのショックをよそに淡々と説明していたエクスはその整った眉をひそめた。
「『風邪』の属性がびゅ〜っとカツラを吹っ飛ばすんだよねー」
「悪質すぎるボケだ; お前、全国の希望残り少ない素敵なハゲオヤジを敵に回したぞ」
「俺にどうツッコめって言うんですか?;」
固まる2人。何だよ、ボクなりのほのぼのボケだったのに。
「いやいやいや;だからですね…」
我に反ってナニかを言い掛けたエクスの言葉は、鋭い悲鳴によって掻き消された。
「!!」
「今のは…?」
ボクの発したモノじゃない。
そしてもちろん2人の発した(彼らが『キャー』なんて言ったらひくケド;)モノでもない。じゃあ一体ダレが?
声の発生源へとボク達は茂みの中に入り込んでいった。そこには…
「ヤダっ!触るんじゃ無いわよこの腐れ納豆!!」
1人の女の子が数体のネクローディスに囲まれているところだった。
いや、ホントに女の『子』だろうか?エクスと同じくらいの歳みたいなのにスゴい美人だ。
袖が広くてすそはミニで袖が膨らんだ変わった紅い服を着ていて、茶色の髪は短かった。
「近寄んないでよ!!」
『ケヘヘヘへ…いけないよぉ。子どもがこんな所に一人でいるなんて』
「! しゃべった!?」
「人語を話すマモノ…亜種でしょうか?」
女の子に見とれていたボクはようやく非常事態に気付いた。
 ビシッ
「行けっイヅキ!」
「ってオレかよっ!」
「そーだよ、女の子が絡まれてるの見過ごすつもり?」
「面倒事はごめんだ」
「ひどっ!」
こちらでごちゃごちゃ言ってたのが聞こえたのか、ネクローディスの内の一体がこちらを向いてしまった。
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