innocence/guilty(未修正版)

□第6章
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「りおんは、どこに行くの?」
「どこだろうね?ボクにもまだ判らないんだ」
「ふぅ〜〜ん?」
そう小首を傾げてボクを見つめる邪気の無いまなざし
「ヒメもねっ、どこに行くかわかんないのっ」
屈託ナシに笑う、小さな女の子は何の迷いも悩みも無さそうだった。
「じゃあボクと同じだね」
「うんっ、あ!母様っ!」
向こうでイヅキ達と話し込んでいた、品の良い女の人がこちらへとやってくる
「ヒメ、行きましょう」
「はーい!」
ボクと座っていたヒメはぴょんっと飛び降りる
二つに結った長い金髪が踊り、うさぎを連想させた。
「じゃあねーりおん!!」
女の人とつないでいない方の腕をブンブン振りながら遠ざかって行くヒメに手を振り返す、かわいいなぁ…
「忘れるって事が一番幸せなのかもしれませんね」
「わっ!?エクスっ?どこから…;」
今まで姿の見えなかった白銀の髪がにゅっと出てきて、ボクはビックリした
そしてその隣に居たイヅキが無表情に言う。
「今のガキ、両親を殺されてるんだと」
「えっ、だってあの子の側にはお母さんが…」
「付き人だそうです」
「なんでも街にマモノの大群が押し掛けて、住人はほぼ全滅。生き残ったあの2人はなんとか逃げて来たって訳だ」
「じゃあ…ムリに笑ってたの?」
なのにボクは…
「いや、両親を目の前で殺された瞬間にその時の映像は頭の中から消去されたらしい」
「人間、最悪の出来事は無意識的に消そうとしますからね。一種の自己防衛です。あの子は『姫』で『ヒメ』なんでしょう」
「………。」
悲しいケド…記憶を消しさってしまうのは苦しまないで生きていける術かもなのかもしれない。
「まぁ、生きるも死ぬも本人次第だろうな。オレ達もこれからの事を考えた方が良い。」
「うん…そうだね…。
あのさ、さっきあの子にも聞かれたんだケド、これからボク達どこに向かえばいいのかなぁ?」
3人とも考え込んでしまったが、急に思い出したかの様にイヅキがふと視線をエクスに移した
「そーいやお前、あの塔でディアを倒すには情報が必要とか言って無かったか?」
「情報?」
ボク達と違い、立ったままだったエクスは頷いた。
「えぇ、ディアが特殊能力を奪って自分の物にしてしまうのは知ってますね?」
「うん、ボクのも盗られそうになったから…」
「リオンさんは未遂で済みましたが、あなた以外にも何らかの能力を奪われた人がいるはずです。
そうで無ければディアの能力は全くの無意味ですから。」
「情報…ってのは奪われた能力の種類か?」
イヅキの問いは正解だった
「その通りです、何の能力かさえ判れば何かしら手立てを打てる筈です」
「なるほどなぁ」
確かに戦う度に未知の能力を発動されたんじゃ絶対に勝てないもんね
「後は経験値を稼せぐと言う事でしょうね」
「ならオレ達の目的地は『強くなれて尚かつ能力者が居そうな街』…か」
「………。」
「………。」
「………心当たり…ある?」
「無いです、俺は」
「ボクなんて村から出たことすら無いよ」
「んなら、とりあえず最寄りの街まで行ってみるかぁ〜」
立ち上がったイヅキは伸びをした
「最寄り…と言うとギヤグースの街ですね。」
「ギヤグース?」
聞き覚えのナイ名前にとまどっていると、エクスは説明してくれた。
「ここから北の方角にある海に面した街です。工業が主要でしたね、確か」
「よしっ!じゃあそこを目指そう!」
先程から何も意見できなかったボクは張り切って立ち上がった!
「意気込むのは結構だが場所がどこだか知ってんのか?」
「うっ…;」
その気を見事に粉砕させるイヅキだった。



懺悔後書き
文章中に出てきた「ヒメ」は888のキリ番を踏んだリォさんのキャラです(ありがとうございます)
最初はもっと大きかったハズなんですが…;なにやらミニマム化してしまいました。スイマセン。

そして遅くなってすいませんです。そして常連サンになってくれてありがとうです…vv
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