innocence/guilty(未修正版)

□第3章
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「…ん…、はぁ…いづきぃ…」
リオンは潤んだまなざしで訴える
「ボク…もうガマンできないよぉ…」
そう言うと熱味を含んだ上目遣いで見上げてくる…
「リオン…」
オレはゆっくりと掴んで引き寄せると、力を込めて…っ
「テメェの荷物くらい自分で持ってろ!!」
顔面目掛けて、リオンに乗せられた荷物を叩き付けた。
 どすんっ
「うわっ!危なっ!!ケチー!荷物くらい持ってくれてもいいじゃないか!!すっごく重いんだよ、コレ」
もちろん、その攻撃をヤツがくらう筈もなく、いつもの能力で寸止めに成功していた
「るせぇよ!元はと言えばお前がゴッズから色々貰って来るのが悪いんだろーが。」
「う゛っ…それはー…」
「乾パン、ジャーキー、桃缶っ、旅のおとも冷凍みかんまでっ!…ゴッズの奴…単に冷蔵庫の整理したかっただけじゃねぇか…?」
余りの重さにカバンを開けてみれば…出てくる出てくる…これでもかっ、と言うくらいに
(あいつ以外と性格悪いからなぁ…)
オレが持つ事を想定してリオンに持たせたのだとしたら…かなりの腹黒だ。
「イヅキのイ〜はいじわるのイ〜♪」
「……おい…」
ぶちまけた食料をポイポイ投げ入れながらリオンは歌い出す。
「イヅキのヅーはヅぅラのヅ〜」
「ハゲてねぇって何回言や判るんだよっ!!」
オレも屈んで荷物の整理を始める。途中で逢ったマモノからの戦利品がそろそろ一杯だ
「イヅキのきぃ〜は奇怪のキ〜」
「…奇怪なのはお前だ」
「…危篤のキ?」
「死んでたまるかっ!」
「んもー、ならキリンでいいや。」
「何がだ、何が」
コイツの脳内はきっと脳味噌以外の何かが詰まっているに違いない。その『何か』が、豆腐で無い事をオレは切に願う。
「そうだ!」
「?」
「イヅキ、これしょって」
「お…おい…」
詰め終えた荷物全部をオレの背中に乗せたリオンは、自分自身もその上に乗った。
何か…とてつも無く不吉な予感が…;
「跳んでっジャンプジャンプっ!」
「…こうか?」
 ぴょんっ
「行っけぇ――!!」
 ギュンッ!
「のわぁぁぁっっ!!!」
前言撤回。コイツの脳味噌は豆腐どころじゃない!プリン以下だ!!
なんとリオンはジャンプしたオレへ、進行方向←に向かって思いっきり術を掛けた!結果…
「うわぁ〜すごいすごいっ、どぉ?イヅキ。スー○ーマンになった気しない?スペシウム光線出せ」
「それはウル○ラマンだっ!!バカ降ろせ!止めろ!!」
昔話のヒーローを出されても…
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