innocence/guilty(未修正版)

□第1章
1ページ/14ページ

かすかに聞こえる声…
「リオー、リオンー」
じいさまの声が聞こえるや、もうそんな時間かぁ…
 サァァァ
初夏の風がオレンジ色の髪をなでて行く。じいさまには悪いけどもう少しここに居よ…

このイムの村に住んでいるボクの名前はリオン。15才。
ごく普通に過ごしているごくごく普通の人間。って思ってるけど他の人から見たら変なヤツらしい
いつも身に付けている水色の腕輪とか『じいさま』って呼んでる老人とも何の血の繋がりもない事とか…
ボクは捨て子なんだ。
じいさまは村の神管長として努めてるからなおさらひけ目を感じてる、それに…
 フワッ
近くにある小石が触りもしないのに宙に浮かび上がった。
捨て子と、この訳のわからない能力が村人がボクを避けている理由
そんな関係が息苦しくて、じいさまを訪れる人を避けてはよくこの木に来るんだ。
…いつまでこの関係が続いてくのか…な?
………。
ボクの意識は深い所へと落ちていった…。

ようやく見つけた、忘れもしないあの…

「あれっ?寝てた…うわっ!」
いけないっ!もう日が暮れ掛けてる!
じいさまに怒られる;あわゎゎゎ…夕食抜きはキツイ〜!
 ガサッ
すんごい早さで言い訳の理由を考えていたボクの耳は頭上の物音を聞き取った。
「?」
ふと見上げるとそこには…
「…誰?」
赤毛の青年がいた。
ここら辺じゃあまり見掛けない出で立ちをしてて、ボクよりも何歳か年上に見える。
自身の髪よりも深い、真紅の真っ直ぐな瞳が夕陽に映えて印象的だった。
「誰だっていい!お前のその腕輪を寄越せ!」
いやよくないよ。そんなボクの突っ込みもむなしく何やら切羽詰まった様に急き立てる青年。
大体あなた誰ですか;
「って、腕輪ってこれ?」
「他にどれがある」
「だっ…ダメだよ!これはボクの…」
「なら奪うまでだっ!!」
 ザッッ!!
「うわぁっ!」
幅広の剣を振りかざして、ボク目掛けて飛び下りて来る!
「くっ!」
 ピッ
すんでのところでかわしたものの彼は着地ざまに剣をなぎ払い、ボクは足の薄皮を一枚切られ鮮血が飛び散ちった。
「っ!!」
たまらず座り込んでしまうボクの首に剣を突き付け、彼は言う。
「これでも渡す気にならないか?」
「な…んで…?」
こんな命を狙われるような事はしてないはずだ…たぶん。
と、なると…
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ