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□子守唄
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トントンと自室のドアがノックされる。
「どうぞ」と中へ入るように促すとドアの向こうには、笑顔のハンガリーとその後ろに隠れながら控えめにこちらを覗いてくるイタリアの姿があった。
「こんな夜遅くに、一体どうされたんですか?」
私が、当然抱くであろう疑問を、2人に投げかけるとハンガリーがどこか楽しげに笑いながら、
後ろに隠れたままでいるイタリアをぐいぐい自分の前に押し出した。
「イタちゃんが、何だか寝付けないみたいで…オーストリアさんのピアノが聴きたいみたいなんです」
笑顔でそう言うハンガリーとは対照的に、イタリアの顔は暗い。
「怒られないだろうか」とか、「断られるだろうな」とか、考えている事が全て顔に表れていた。
ふぅ、と一つ溜息を漏らす。
「仕方ないですね…」
中に入りなさい。そう続けると、イタリアは先程とは打って変わって、嬉々とした様子で部屋の中へと入ってきた。
ハンガリーが一つ礼を入れてから、ドアを閉め、部屋に帰って行く。



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