版権

□チェシャ猫、あったかくて柔らかいんだね
1ページ/7ページ



最近アリスが前みたいに僕に構ってくれなくなった。
昔は、何処に行くときも抱いてつれて歩いてくれて、夜にはベッドで一緒に寝て、首を撫でてくれて、膝枕だってしてくれた。
それが最近では、前みたいに胸に飛び込んでも、ベッドに潜り込んでもアリスは僕のことを叫びながら押し返してくるようになった。
そのあとしばらくは、僕の顔すら見てくれない。

「アリス…僕はアリスに何かしたかい?」
その度に何度聞き返しても、「今したでしょ!?」と、怒って返してくるだけ。
…そういうことを訊いているんじゃないんだよ、アリス。
そう、アリスに言い返したけど、「じゃあ、何をきいてるの?」と言われても、どう答えたらいいのか分からない。
「アリスは僕のことが嫌いになったのかい?」
訊くと帰ってくるいつもと同じ反応。
「ううん、チェシャの事は大好きよ!」
アリスは首を大きく横に振りながら、大きな声で必死に否定してくる。
僕はますます意味が分からなくなった。
こんな事を毎日何回も繰り返して、その度にアリスは僕をはねのける。
とにかく僕は前みたいにアリスにいっぱい構って欲しいだけなんだけど…。



次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ