版権

□一緒にいてやるから安心して眠りな
2ページ/8ページ



今や通りなれた城内の廊下を急ぎ足で通って行く。
目の端にちらちらと入る傷を負った兵士達が私の不安を一掃掻き立てる。
政宗様は無事なのだろうか。
政宗様の部屋の前に着いた。
毎回のように「いつきです」と声をかけるが返事が返ってこない。
もしかしたら大変な傷を負って救護室に運ばれているのだろうか…。
居ても立っても居られなくなり立ち上がろうとすると後ろから誰かに身体ごと腕を引っ張られ、そのまま私を立ち上がらせられた。
「政宗さ…」
「いつきを宴会に参加させるぞ、準備しな」
私の言葉を遮って酒宴を開いている兵士達に指示を出す。
心配していたのに反してぴんぴんとしている政宗様を呆然と見詰める。と、そのまま自室へと引き込まれた。
はっとして政宗様を制止する。
「ちょ、勝手に…」
襖が閉められた。
私は政宗様の身体と襖との間に挟まれる格好になる。
「俺は書簡があるから飲めねぇがな、楽しんでいけよ」



次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ