Get to You -Part4- 【嵐 櫻井翔】 

□車
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「だめー。滝沢さんはこっち。」

手を、引っ張られた。

「何だよ?」

ムッとする翔ちゃんに、綾瀬先輩が艶やかに笑って見せる。

「私、堀北さんとも滝沢さんとも、そんなにじっくり話したことないしね。」

勝ち誇ったように、翔ちゃんの顔を見て。

「今日は、私達3人で同室な訳だから。行きの車でゆっくりと親睦を深めようと思うの。」

誰もが唸る理屈で、あっという間にメンバーの振り分けをした。

「それもいいかもね。女子同士で話したいこともあるし…。」

真希先輩が、涼しい顔で綾瀬先輩側についた。


すると、雪崩をうったように…。

「あー。なるほどね。男ばっかも良いかもね。」

「そういや、女子は全員違う学年だしね。」

「真希とあかりちゃんは、陸上部で一緒だったから、いいけど。」

「はるちゃんと真希ちゃんは同じ高校だったけど、ほとんど接点ないもんね。」

「じゃ、俺らは、大野先輩チームってことで…。」

翔ちゃんを除く、他の男性陣は。

お姉さま方に刃向うのは、利口でないことを知っているからか…。

素直に、綾瀬先輩案に従った。


一気に形成を逆転された、翔ちゃんが。

「でも、2台の車に3人と5人て…。しかも5人の方は、オトコばっかで狭いだろ?」

苦しそうに反論したけど。

「ほらぁ、翔ちゃん行くよ?大野先輩の車が良かったんでしょ?」

まーくんに、引っ張られて。

何度も私を振り返りながら。

明らかに5人でも狭くはない大野先輩のお家のワンボックスカーに、連行されていった。

そんな様子を眺めていたら。

綾瀬先輩に、声を掛けられた。

「じゃ、滝沢さんも乗って?なるべく安全運転で行くから、大丈夫よ?」

促されて、オレンジ色の車の後部座席に乗せられた。
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