Get to You -Part4- 【嵐 櫻井翔】 

□焦る
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「うん、いいよ。」

答えると。

「俺、ちょっとトイレ行ってくる。」

そう言って、席を立って行った。


館内は、クーラーが効いていて。

少し喉が渇くけど。

ちょっと寒いくらいの館内で、あの瓶のコーラを飲んだりしたら。

それこそ、途中でトイレに行きたくなりそうだ。

どうしよっかな…。

ロビーに、暖かい飲み物なんて、あったっけ?

考えていたら、思い出した。

持って来た、小さな鞄を開けて。

底の方を、探してみる。

やっぱり…。

あった。

この間、友達と出かけた時に貰ったのど飴。

とりあえず、舐めていれば。

喉の乾きは、解消できるかな?

包みを開いて。

口の中へ入れた途端。

「あ、一人でずるい。」

翔ちゃんが、背後から声をかけて来た。

トイレから、戻って来たらしい。


「欲しかった?」

舐めながら、聞いてみる。

「欲しかった。」

そっか…。

「ごめん、一個しかないの。口に入れちゃったし。」

そういうと同時に。

ブザーが鳴って、暗くなる。

「いいよ、別に。」

飴の話…なのに。

やたらに、艶っぽい声で言う。

そっと鼻先まで、翔ちゃんの顔が近づいて。

「なに?」

聞くと。

「分けて?」

頼まれた。
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