Get to You -Part4- 【嵐 櫻井翔】 

□急いで!!
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「はぁ…。仕方ないかぁ。」

もう一度、タオルを濡らしに行って。

軽く体を拭こうかなぁ。

じゃ、体操服、もう一度着なくちゃ。

一度脱いだ、汗でぐっしょりの体操服を着る。

気持ち悪い…。

「タオル…濡らしてくるね。」

力なく、沙希ちゃんに告げる。

「早くしなよ?」

笑いながら、見送ってくれる。

「はぁい。」


部室のドアを開けようとすると。

いつものように、のんびり顔を洗って来た後輩や、同学年の子達とはち合わせた。

「あれぇ?あかり先輩、あんなに急いで戻ったのに、まだそんな恰好。」

「ホントだ。急がないと。待ってるでしょ?」

「うん。そうなんだけどさ・・・。」

力なく答える。

「どしたの?あんなに嬉しそうだったのに。」

「あ、ひょっとして、これから二宮先輩とデート!?」

事情が分かっていない1年生の子が、それこそ嬉しそうに。

聞いてくれるけど。

「ん?ううん。とりあえず、タオル…濡らしてくるね。」

短く答えて。

部室を出る。

また走って、今度は部室の裏にあたる、学校の女子更衣室へ入って。

水道を借りる。

分かってたら…朝からそれなりに用意してきたのに。

ぎゅっと、タオルを絞って。

また、部室へと急ぐ。


ガラガラっと、部室のドアを開けると。

「せんぱぁい!!」

1年の子達が、嬉しそうに出迎えてくれる。

手に、いろんなものを持っている。

「な、何?」

「そいういうことなら、早く言って下さいよぉ!!」

「え…?」

みんなが、私の方に迫って来るから。

今閉めたばかりの、ドアに貼りつく。

「どしたの?」
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