Get to You -Part4- 【嵐 櫻井翔】 

□翔ちゃんの決意表明
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「いい…の?」

そっと、聞いてみる。

「何か…悪いことでもするつもり?」

「ううん。そんなこと…ない。」

慌てて、首を振る。

「じゃ、どうして聞くの?」

逆に質問された。

「ダメって。言われると思ってたから。」

まさか、許可がでるなんて…。

「ホントのこと、言ってくれたからね。」

「そうなの?」

「折角正直に話したのに。やっぱりダメって言われたら。」

お母さんは、小さなため息をつきながら。

「今度は、嘘をついて行こうと思うでしょう?」

小さく笑う。

「そう…かも。」

きっと、そうするだろう。

「智くんも、ああ言ってるし…。」

「うん。」

「でもね…。誤解しないでね。」

目の前に歩み寄って来る。

「軽はずみに、翔くんとの関係を進めるのに、賛成してる訳じゃないのよ?」

お母さんの視線は。

私の目の、一番奥にまで届くように。

強く強く、まっすぐに送られる。

「う…ん。」

「もう、どんなにお母さん達が、あかりの行動を制限しようとしたって…。」

笑いながら、溜息をつく。

「全部把握しきれないでしょう?小さいころと違うんだから。」

髪を撫でられた。

何年振りだろう。

「大人に近づいてるつもりだろうけど。まだまだ。色んな事が心配な年なのよ?」

ゆっくりと、私の髪を撫でてくれる、お母さんの手。

そういえば、こうしてもらうの。

大好きだったなぁ。

「大事な大事な、宝物みたいな娘なの。そこのところ、よく考えて行動してね。」

「はい…。」

「あとは、もう。心配だけど、信用するしか…ないもんね。」

ぽんと、頭の上で手が跳ねる。

「さ、お夕飯のグラタン。焼き始めよう。」

踵を返して、キッチンへ向かう。

「あぁ、でも…。」

振り向いて。

「お父さんには、女の子だけってことに…しとこうね。」

笑う。

これは、逆に…。

重い十字架を、背負わされちゃったなぁ。
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