Get to You -Part4- 【嵐 櫻井翔】 

□擦り傷
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ビーチフロントのレンタルコーナーは、充実していて。

様々な形や大きさの浮き輪や、ビニール製のボートやマット。

ウォーターガン、ボディーボードに、ビーチバレーのボール。

シーカヤックやパラセイリング、ウェイクボードの体験なんかも出来るらしい。


とりあえず、泳ぎますかと。

浮き輪やフロートマットをいくつか借りて。

みんなで海に入る。

最初は、のんびり波間に漂っていたけれど。

そのうち、男の子たちが誰かをマットに乗せては沈めてみたり、転覆させてみたり。

ふざけっこが始まる。

その様子を見て笑っていた、私達女子も標的にされて。

いいから、いいからと。

マットの上に乗せられては。

落されて。

さんざんに、海の中を楽しんで。

せっかくバレー部出身が大勢いるんだからと。

ビーチバレーをすることになった。


バレー経験者は、翔ちゃんとまーくん、はるか先輩、私。

8人のうち、4人。

じゃあ、経験者・未経験者でコンビを組んで戦おうと。

翔ちゃんと潤くん。

まーくんと真希ちゃん。

はるか先輩と和くん。

大野先輩と私。

4チームで、トーナメント戦をする。

翔ちゃんチームと私達が、1戦目を勝ち上がって決勝戦。

運動神経抜群の大野先輩は。

トスをうまく上げれば、アタックだってできる。

接戦で、だんだん本気モードになってくる翔ちゃんに、トスが上がっちゃうと。

さほど手加減せずに打ち込んできたりするから。

未経験者の潤くんを狙って、攻撃して。

なるべく相手のパスが、乱れるようにボールを落とす。


あと少しで、私達の優勝というところで。

だんだん要領の掴めてきた潤くんが、翔ちゃんにキレイなトスを上げた。

強めに打ち込まれたボールは、受けようとした大野先輩の腕に跳ね返って。

コートの外へと飛んでいく。

夢中で追いかけたら。

「危ないっ!!」

声が聞こえて。

コートの脇にあった石垣にぶつかった。

ぶつかった反動で、砂浜に無様に転ぶ。

みんな駆け寄ってきてくれて。

「大丈夫?」

「怪我しなかった?」

「どこぶつけたの?」

口々に心配してくれる。

「うん、大丈夫。」

びっくりしたけど、特にケガなんかは無さそう。

翔ちゃんが、手を引っ張って起こしてくれる。

「血…出てる。」

左肩あたりを見て、翔ちゃんが言う。

自分でも、見てみると石垣に当たったところに、擦り傷。

血と言っても、滲んでいる程度だ。
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