Get to You -Part4- 【嵐 櫻井翔】 

□車
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「ね、見たぁ!?あの、翔くんの顔!!」

丸いボディの。

「見た見た!!そんなに寂しい訳!?ってねぇ。」

少しだけくすんだオレンジ色の、可愛い車が。

「どんだけ好きなの!?ってねぇ!!」

するすると軽快に走って、街の中を抜けて行く。

「ホント、良かったよねぇ。サクちゃん。女子、めんどくせぇとか、言ってたくせに。」

綾瀬先輩の車。

「私も智くんを通じて、多少親しくなっても。中学の頃は、あのヒト怖かった。」

助手席には、真希先輩。

「あ、やっぱり?虚勢張り過ぎだったからねー。」

後部座席には、私一人…。

「変わったよねぇ…。翔くん。」

さっきから、前の2人が楽しそうに話題にしてるのは。

「ホント…。変わったし、小さい頃の雰囲気が、また出て来た。」

翔ちゃんの、あの時の反応。


今朝は、車を出してくれる大野先輩と、綾瀬先輩が。

それぞれに、メンバーを自宅まで迎えに来てくれて。

申し合わせてあった、コンビニに集合した。

その時は、大野先輩の車に、真希先輩と私。

綾瀬先輩の車に、翔ちゃん、まーくん、和くん、潤くん。

みんなで、コンビニに入って。

これから2時間近くの、ドライブに備えて。

ジュースとか、お菓子なんかを買って。


改めて、2台の車に別れて乗る、組み合わせの相談が始まった。

基本、カップルは一緒のがいいでしょ?とか。

いや、シャッフルのが楽しいから、じゃんけんで決めようとか。

案は、色々出たんだけど。

その時、翔ちゃんが冗談で言った言葉が、アダになった。

「俺、ハルの運転怖い…。」

そこまで乗せて来てもらった、綾瀬先輩の運転の仕方が。

多少乱暴だったらしく。

幼馴染の気安さで、放たれた一言だったんだけど…。

「分かった。そんなこと言うなら、サクちゃんは乗せてあげない。智くんチームね。」

綾瀬先輩に、宣告された。

その言葉を、もろともせずに。

「やった、じゃ、俺とあかりは智くんの方な。」

言い返したまでは、良かったんだけど。

綾瀬先輩の反撃は、そこで終わらなかった。
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