Get to You -Part4- 【嵐 櫻井翔】 

□アイスクリーム
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「びっくりしたよ、あんなとこに立ってるんだもん。」

2人で歩きだして。

学校のフェンス沿いを、ゆっくり進む。

「駅に着いたら、ちょうどいい時間だったから。そのまま来た。」

久しぶりに顔を合わせて。

声は。

毎晩の電話で、聴いているから。

そうでもないんだけど。

何だか、お互い目を合わせるのが照れくさい。

でも、嬉しくて。

目が会うたびに、頬が緩む。


「あかり、走るフォーム綺麗になったな。」

褒めてくれる。

「本当?」

「うん。去年の大会で見た時より。安定してる。」

「タイムもね。伸びてるんだよ?ここのとこ。」

「へぇ、今度の大会、楽しみじゃん。」

本当は、手を繋いで歩きたいけど。

学校の前だし。

微妙な間隔を保ったまま、並んで歩く。


「あかり先輩、さようならぁ…。」

後ろから、声を掛けられる。

さっきの後輩たちが、3人。

自転車で、私達を追い越していく。

いつもは、ばいばい!って言われるのに。

ものすごく、遠慮がちに。

しかも、可愛らしく…。

でも、後輩たちの目は、ちっとも私なんて見てなくて。

翔ちゃんに、貼りついている。

「あ、うん。ばいばい。」

そう答えると。

みんな会釈して。

通り過ぎて。

きゃあ!!と、数メートル先で黄色い声が上がる。

翔ちゃんと、目を合わせて笑う。
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