夢見処

□イラナイモノ
1ページ/1ページ

私の頭の中、あの人の声が響くから

「耳を失くしましょう。」

私の目の中、あの人の姿が映るから

「目を失くしましょう。」

私の殻だの中、あの人を想うと煩いから

「心臓を失くしましょう。」

ああ、これで何も無くなった。

何も聞かずに、見なくてすむ。

あの人の声も、姿も、

辛いことも、悲しいことも、

何もかも、

私の中から消えていった。



イラナイモノは、この世界に五萬とある。


(私はその中の一部を消したに過ぎない。)

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ