夢見処
□幼馴染
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俺らはずっと一緒に生きてきた。
いわゆる幼馴染って奴。
この幼馴染はとにかくめんどくさがり屋。
何でもかんでも俺に押し付けてくる。
小さい頃は嫌だったけど、歳を重ねていくにつれ、どんどん慣れていった。
怖いな。慣れって。
そんなこんなあって一緒に育ってきた。
こいつと離れることなんてないと思ってた。
今までは。
18年一緒に生きてきた幼馴染は、
突然俺の傍を離れると言ってきた。
涙を浮かべながら。
理由は、
夢を叶えるため
俺は見送った。
こいつの夢のために、
涙を見せないと誓った。
笑顔を浮かべ、見送った。
幼馴染はやっぱり
大きな瞳に涙を浮かべていた。
━ずっと一緒にいると思っていた幼馴染は 今日 俺の隣から 飛びだっていく━
━でも、幼馴染は言った 二年後に帰ってくる だから、
貴方の隣をあけといて
幼馴染は笑っていた。
涙を浮かべながら、綺麗に。
俺は泣かなかった。 その代わりに笑った。
精一杯、笑った。
俺は言った。
“ずっとあけとく。お前が戻ってくるまで。 絶対あけとく。 だから、 頑張れ。”
幼馴染は旅立った。 桜の舞い散る中、元気に。
俺にとって2年は長い。
でも、その長い長い2年を過ごした先には、
どんな未来があるのだろう・・・。