おおきく振りかぶって

□普通に平和な休日はあっというまに過ぎていく
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「ねむ・・・」

まだちゃんと開かない瞼をこすりながら私は時計を見た。時計の針はもうお昼の12時を過ぎていた。
ちょうどお腹もすいていたので、私は脱ぎっぱなしになっていた服を拾い、適当に着て、ベットから降りた。

お昼と言っても何も作る気がなかったので、カップラーメンを食べることにした。
すると、ガチャと扉の開く音が聞こえてきた。

「はよ・・・。」
「おはよ、隆也。」

隆也が起きてきた。しかも冬だというのに上半身裸だ。 そういう私も薄着だが・・・。

「服、着たら?」
「めんどくさい。下着てるからいいだろ。」

そう言うと隆也はソファーに腰を下ろした。

「あ、俺のも作って。」
「やだよ。自分で作って。」
「ケチ。」

小さい声だけど、聞こえてる。そんな声はシカトして、お湯を注ごうと手元を見たら、手首に赤く手の痕が残っていた。

「隆也〜、痕ついっちゃってんだけどー。」
「お前がおとなしくしなかったからだろ。俺のせいじゃないね。」

確かにそうだけど、急に襲ってきた隆也も悪い。 そんな隆也に溜息をつきながらラーメンを食べる。
隆也はソファーに座ったまま、リモコンを持ち、テレビをつけた。
でも面白い番組がやっていなかったのか、また電源を切って、フウ〜と溜息をついた。そのあとは寝たのか、とても静かになった。
私はラーメンを食べ終わり、片付け、寝ている隆也の隣に腰かけた。
私もフウ〜と溜息をついた。 窓から差し込む太陽の光がとても温かい。これでは隆也が寝てしまうのも分かる。

「明日練習だ・・・。」

「起きてたんだ。」と言うと「おお。」と返してきた。

「何、嫌なの?」
「嫌ってゆーか、別に練習はいいんだけどさ、もうちっとお前といたいから休みが欲しいだけ。」

めずらしい。隆也がデレた。 怖いわぁー。

「・・・そりゃうちだってもっと隆也と一緒にいたいけどさ・・・しょうがないよ。夢のためでしょ?」
「・・・まーな。・・・ところでさ・・・」
「うん?」
「もう一回シテもいい?」

迫ってきた隆也を私はムギュ、と押し返した。

「嫌だ。」


普通に平和な休日はあっという間に過ぎていく。

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