黒子のバスケ
□チョコより甘い言葉
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今日はバレンタイン。 私はこの日のために、昨日チョコを作った。
でも大輝はあまり甘いものが好きじゃないから甘さ控え目のものを作った。
2月14日 今日は日曜日で部活もお休み。 私は、準備をして、大輝の部屋へ急いだ。
「大輝〜来ましたよ〜」
そう声をかけても何の返事もなし。 きっと寝ているんだろう。 そう確信し、ノックもせずに部屋へ入った。
「うわあ〜 汚ーい。」
ドアを開けると、大輝の部屋は荒れ放題だった。 つい来たのは3日前ぐらい。それからどうやったらこんなに荒れるのだろうか・ ・ ・。
「っと、大輝君、チョコ持ってきましたよ〜。」
「・ ・ ・。」
かえってきたのは無言。 う〜ん。無言はよしてくれたまえ、大輝君よ・ ・ ・。
「(しょーがない。置いてかえるか・ ・ ・)」
起きるのを待っているのも面倒だから、チョコをそこらへんに置いて、帰ることにした。
「甘・ ・ ・」
「お!?起きたか!?)」
突然声を発した大輝。どうやら部屋に充満するチョコの匂いで起きたらしい。
「大輝、おはよう〜。チョコ、持ってきたよ?」
ガサガサとチョコの入っている袋を揺すると、ゴソ、と大輝は寝返りをうち、こっちを向いた。
「チョコ?俺、チョコくれなんて言ってねえぞ・ ・ ・」
はい?何言っちゃってんですか?大輝君。俺様にもほどが・ ・ ・
「だって大輝が言ったんだよ?バレンタインにくれって。」
「あ〜違う違う。俺はチョコをくれって言ったんじゃねえよ。」
「え?じゃあ何が欲し・ ・ ・」
大輝はベットから私を手招きで呼んだ。 私は床の荷物を上手によけながら大輝の元へ行った。
すると、大輝は私の腕をグイッと引っぱり、耳元に口を近づけ、こう言った。
「こんなのじゃなくて、お前を食わせろってことだよ。」
チョコより甘い言葉