あひるの空
□ベランダで夏休み計画
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ソヨソヨと夏の生ぬるい風がベランダを吹き抜けていく。 あと少しで夏休み。
授業にも飽きて、ベランダで風に当たっていると、
「何たそがれてんの?」
と、声をかけられた。 隣を見ると、只今片思い中の白石がいた。
「別にたそがれてるわけじゃないよ。 ただもう少しで夏休みだなーと思って、風に当たってただけ。」
「ふーん。」
そっけない返事を返された。 まあ白石は部活で夏休みもないんだろうな・ ・ ・。
でも夏休みは夏休み。部活をやっていない私には白石に会えない長い長い休み。
「あ〜彼氏欲しいな〜。」
そう呟いてみる 今日この頃。
「彼氏作ってどうすんの?」
お?何かくいついてきた。
「そりゃあ、海行ったり、遊んだりしたいな〜って。」
「ふ〜ん。じゃあその彼氏が部活で全然会えなかったら?」
「ん〜、それはしょうがないよね。そしたら会えなくても我慢する。」
「そっか・ ・ ・」
白石はそう言ったきり黙ってしまった。
「白石?」
「騒ぐなよ。」
「何が?」
「 」
白石が口を開いたと同時にまた生ぬるい風が吹いて、白石の言葉をさらっていった。
「うん。」
自分で頬が熱くなるのが分かった。
これは夏のせいじゃない。
ベランダで夏休み計画