NARUTO

□「ありがとう」を何度でも
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小さい頃はよくその強さ故に『日向の化け物』『女のくせに』と言われ、苛められた。
そんな時、泣いていた私の頭を優しく父様が撫で、横を向いた。そちらを向くと、自分と同い年だろうか、とても綺麗な男の子が立っていた。その子は私と同じく分家の子で私の従兄弟の「日向ネジ」という子だった。
ネジはこっちきて優しく微笑み、手を差し伸べてきた。私は握ってもいいのか分からず、父様を見た。すると父様も優しく微笑み、頷いた。私はネジのほうに向き直り、その手を恐る恐る握った。
この時、初めて私に『友達』が出来た。
ネジは笑い、手を握ったまま、走り出した。何処へ行くのか分からなかったが、前を走るネジの背中はとても優しく、かっこよく見えた。

「ネジ」

そう恐る恐る呼ぶとネジは此方を向き、眩しいほどの笑顔を見せた。私もそんなネジの笑顔につられて何時の間にか笑っていた。




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目を開けるとそこは天井。どうやら何時の間にか寝てたらしい。

「(寝ちゃったんだ・・・。それにしても懐かしい夢だったな・・・)」

今のネジも笑顔はたまに見せるが、それとはまた違う幼子の笑顔。

「(可愛かったな・・・)」
「何笑ってるんだ」

一人ニヤついていると頭上のほうから声が降ってきた。

「ん〜?懐かしい夢見てさ。久々にネジの可愛い笑顔を見たらついニヤケちゃって」
「・・・やめてくれ」
「えへへ〜」

昔ほど笑ってはくれないが、やっぱり今のネジの笑顔も大好きだ。

「・・・・ネジ」
「何だ?」

今度は私が貴方に笑顔をあげる番。

「大好き」
「・・・・・き、急にそんなことを言うな//!!」
「ネジ顔真っ赤〜」
「う、うるさい!」

ねえネジ。もしあの時、貴方の笑顔がなかったら、貴方という存在がなかったらこうして私は笑ってないと思うんだ。

「ありがとね、ネジ」



私は小さくネジにお礼を言った。

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