夢見処2
□君に言えなかった言葉を
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「貴方の愛しい人は死んだんだ」
そんなことを言われても信じれるわけがない。俺の愛しい人が死んだ?
あの可愛くて無邪気な笑顔とか、俺よりも小さい手とか、いい匂いのする髪の毛とか、キスする時にいちいち真っ赤になる頬とか、もう、二度と見れないっていうのか・・・?そんなわけない。だって、
「だってまだここにこいつはいるんだぜ?いつも通り可愛い顔して寝てる。死んでるんじゃない、寝てるだけなんだ」
そう、寝てるだけ。だからこんなにも幸せそうな顔をしてる。
「きっと、いつも通り目を覚ましておはようってまだ眠たそうな顔で挨拶してくれるんだ。きっと、きっときっと・・・っ、だって、こ、れは、」
夢じゃない。そう、夢じゃない。だってこいつのいつもの温もりはないし、手を握っても握り返してくれないし、一向に目を開ける気配もない。こいつは・・・・
「・・・・っ、死ん、だんだな・・・?なあ、お願いだから帰ってきてくれよ!!俺、お前がいないと何の為に生きていけばいいかわかんないんだ。頼むよ。目、開けてくれよっ・・・!」
俺の愛しい人が死んだことは変わらない事実で。それを受け止めるのに時間が必要で、最初は泣いてばかりだった。でももうあいつのために泣かないって決めたんだ。だって男の俺が泣いてたらあいつだって天国で笑えないだろ?
これからは、君に伝えきれなかった想いを手紙に込めて君に伝えることにするよ。
拝啓、きみ。