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□HTF
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本当は君に触れていたい。
でも君を傷つけてしまうんじゃないだろうかと怖くなって
あと1センチのところでぱっと手を下ろしてしまう。
君は悲しそうになにか言いたげにこちらを見るのだが、僕は
目を逸らしてしまう。ああ、どうしていつもこうなのだろうと
自己嫌悪に浸る。この力は、誰かの為にあるんじゃないのか。
分からない。だって、いつもこの力で誰かを傷つけて、悲しませて
しまうじゃないか。君は目の前にいるのだというのに。
泣きそうな顔で、こちらを見ているのだというのに。
僕はなにもできない。ただ、君の顔を立ち尽くして見ていることしか
できないのだ。
こんなことなら、こんな力なくてよかった。

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