book*akb 2

□サイレント 2
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バスが発車する前にブランケットの下でこっそり繋いだ手は、まだしっかりと繋がれたままだった。

どこまでが自分なのか、どこからがあなたなのか、解らなくなってしまいそうになる。

暖かい。けれど、暖かいのはあなたなのか、それとも自分なのかさえよく解らなくなってきた。


腕時計の短針はちょうど1と2の真ん中くらいを指していて、ここから見える限り、まわりのメンバーたちはあなたも含めてすっかり夢の中だった。


さっき飲んだミルクティがいけなかったのかもしれない。わたしの目は冴えきっていた。


結露して白く曇った窓にふと目をやると、案の定、何という生き物なのか到底わたしには理解できない、おそらく動物であろうイラストが描かれていたから、笑ってしまいそうになった。

あなたはよくこの類の絵を「くまさん」やら「にゃんにゃん」と言って描くのだけれど、お世辞にもうまくはないし、上達の兆しもはっきり言って皆無だ。今日のこの絵だって、熊にも猫にも見えない。どちらかというと火星人である。
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