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□酒と泪と女と女
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†優子side
久々に飲むアルコールに飲まれ、わたしはテーブルに突っ伏したまま目を閉じ、眉間にしわを寄せていた。
断っておくが、別につぶれているわけではない。
朦朧としているだけだ。
そこんとこ、解ってほしい。
いつの間にかわたしの背中には毛布がかかっていた。あなたのお気に入りのピンクのやつだった。
カチャカチャという音に少し目が冴えてキッチンの方を見ると、あなたと麻里子が食器を片付けている。
キッチンに目を向ける途中、あっちゃんが視界に入った。彼女もまた、わたしと同じ机に突っ伏して、その肩には毛布がかけられている。色違いの黄色のやつ。可愛らしい寝息が聞こえた。
そうそう。思い出した。
今夜は4人であなたの家に集まって、シャンパンやワインをしこたま飲んだのだ。
あっちゃんがつぶれ、それを麻里子が介抱し、あなたが貰い物の高級チーズの追加を冷蔵庫から出してきて、わりとリーズナブルなワインを早いペースで2本あけた。
ところまでは、確かに覚えている。
その後は‥うーん、どうだったかな。
グイッとひとつ、伸びをした。
あなたはというと、麻里子と仲良さそうに話しながら片付けをしている。
時折微笑みあったりして。
大人げないとはわかっているが、そんなあなたに腹が立ってくる。
あんな風に笑っちゃって。むかつくぞ。
というか、むなしいぞ。
おい。
あなたのことに関して言うならば、わたしはかなり嫉妬深いのだ。
そこんとこ、解ってほしい。