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□脳内支配。
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俺は最近、変だ。
『…桃先輩、聞いてんの?』
「……………。」
『…桃先輩!』
「……へ?あ、わりいわりい!何の話だっけ?」
柄にも無く声を張る恋人の言葉がやっと耳に入り、後頭部をガシガシと掻きながら慌てて聞き返した。
『だから、寄り道して帰りましょうよって。』
部活後の部室。
ロッカーの前で並んで着替える中、制服のシャツのボタンを締めながら越前が見上げてきた。
その姿が何とも色っぽく、愛らしく見えてしまう俺の目は可笑しいのだろうか。
「そうだなー、飯でも食って帰るか!」
『まあ、勿論桃先輩の奢りっスけどね。』
妙な邪念を払うように綺麗な濃紺の髪をくしゃりと片手で撫でてやると、身長や身分等お構い無しと言った様子で見下すような笑みを浮かべる小さな一年ルーキー。
本当にクソ生意気な奴。