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□※揺れる、満淫電車
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「…や、だ…お願いっ」
好きでも無い最低な男に最後まで犯されるなんてあり得ない。
一生、消えることのない心と体の傷になるであろう。
「そんな可愛くお願いされてもねェ」
男は片手で自分のベルトを外す。
ファースナーを下げる音が聞こえ、背中に冷や汗が垂れる。
これから起こる事が怖くて、目を瞑って絶えるほか無かった。
「じゃ、お邪魔しまーす」
まるで友人の家に遊びに来たような呑気な声で男は言うと、わなないている充血したそれをきゅんの秘部へ押し込んだ。
「…っ、あ、ぅ、んっ…!」
十分に濡れ、緩くなってはいたものの予想以上の大きさに、きゅんの体は悲鳴をあげる。
力を入れ、めりめりと入り込んでくる肉棒を拒もうと試みるが、痛みは甘い快楽へと移り変わる。
「…っ、あ、ぁっ、…はぁっ、ん」
「嫌々言うわりには締め付け、凄いですぜ?」
「あ、っ、んっ……っ!」
男は激しく腰を打ち付け、最奥に思いっきり叩きつける。
一番感じる部分に男の欲望が触れた時、きゅんは高い声をあげ、体をビクンと震わせた。
「ほら、もっと感じてくだせェ…ッ」
「はぁっ、…あ、ん…っ、やぁ…っ」
互いの肌が触れ合う音や結合部分からの卑猥な水音は線路を走る電車の音で掻き消される。
しかし、きゅんの体全体を動き回る快楽は治まるどころか、どんどんと激しくなっていく一方で…。
「あ、…も、…イ…く…っ」
進退を繰り返されていく内にきゅんは絶頂の間際に襲われる。
「…俺も、でさァ…。」
少し息の荒くなった男が切なげな声でそう言う。
「…、っ、中…中だけは…やめ――っ」
「…もう、手遅れでさァ」
中出しだけは避けて欲しかった。 そうすればまだ、希望が持てる筈だったのに…。
「…あぁ、っ」
きゅんの瞳からは諦めを含んだ涙が溢れ出す。
その後すぐにきゅんも果てたが、体だけが悦楽を感じるだけで心はもう修復出来ない程の痛みが残り、涙は零れていく。
「次、アンタの降りる駅だろィ?」
精子を吐き出し、萎えたそれを抜きながら男は言う。
「…え?」
車内に聞こえる車掌のアナウンスがきゅんの降りる駅は次だと伝えた。
男は自分ときゅんの身だしなみを素早く整える。
「なかなか楽しかったですぜィ?」
きゅんの気持ちなど全く考えていないような口調で話しながら。
思考回路が働かず、下を向いて呆然としているとガタンと電車は揺れ指定駅に止まった。
きゅんは、ふらふらとした足取りでドアの方へと向かう。
しかし、降りる直前で男はきゅんの腕を掴み、引き寄せてこう囁いた。
「また、明日も宜しくな。言っとくけど拒否権はねェから。」
それだけ言うときゅんを軽くホームの方へ突き飛ばした。
ドアが閉まり窓越しから見えた男の微笑みはきゅんにとっては悪魔そのもののように感じた。
屈辱から解放されても尚、肉棒を貫かれたそこは欲望の余韻が残っている。
“明日も宜しくな” その台詞が頭の中でこだまする。
未だに秘所からドロドロと滴る白濁の液が、男への絶対服従を逆らえぬ証となってしまった。
→総悟くんと反省(後書き)