点と線で恋。
□溶けはじめたアイス
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溶けはじめたアイス
要するにさ、私は相馬さんが好きなんだよね。他に何とも言いようがない…事もないか。(ウザいとか黒いとか)
それが間違い?私が相馬さんを好きだからいけないの?
と言うか、今まで一番関わりたくない人物だって言ってたのに、何で好きになったのかって?
…はぁ、恋に理由なんていらないでしょう?
気づいたら好きだった、それだけだよ。
……、
………。
『…何言ってんだ、私』
自分で言って鳥肌が立った。
ーーーーーー**
『…バイト行かなきゃな』
適当に身支度を済ませて家を出た。
バイトが楽しかったあの頃はどこへ…どこへ去ってしまったんだろうか。
毎日がハッピーで笑えて(怒られて叩かれて、怒られて怒られて)。
それがどうして!今じゃ、相馬さんに振り回されっぱなしな気がする。出来るだけ関わりたくないとは思っていたけれど、今じゃ色んな意味で関わりたくない気がする。
ん?じゃあ、私もう相馬さんが好きじゃないのかな?…なんてね。そんな訳ないよ。ははは、はぁ…。
『おはよー「あえりーーーーーーー!!!」
突然と感じた微かな痛み。と言うか、衝撃。そしてそれが温もり、寧ろ蒸し暑いものへと変わった。
私は冷静な気持ちを保ちつつ、これはオーバーリアクションすべきだと考えた。
『えっ、陽平?何でここに!?』
今、抱きしめられてるのが真柴陽平だとはすぐに分かった。
そして私の見事なオーバーリアクション!ナイス!
とりあえず引っ付いてくる陽平を軽く蹴飛ばして、離れさせる。
「何で蹴るんだよ!」
『あれ、何でフロアの制服…』
「今日は俺、手伝いさせてもらうんだよ!」
だ、そうだ。
あまり驚かなかった。だってここは杏子さんの店だしね、いつ来てもおかしくない事ぐらい分かってたよ。…いや、陽平の事忘れてた訳じゃないよ。
「…知り合いか?抱き合って」
『佐藤さん、訂正!抱きつかれてるの間違いだから!』
「俺の可愛い妹みたいなっす!」
『陽平も離れろ!』
その後、衝撃音が響いたと言う。
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