点と線で恋。
□悔しいけど
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「きゃー!あえりが…あえりがパン食べてる!!」
休憩室に入って来たぽぷらは、私を見るなり声をあげた。
「種島さんっ、パン食べてるのは普通だよ!」
そこでまひるが訂正してくれた。
そう、私はパン食べてるだけ。何もおかしくない!
『酷いじゃん』
「いや〜ごめんごめん!最近、あえりがしてる事が全部おかしく見えて…」
『あはは、そんなアホな』
私は軽く笑った。私のしてる事は全て完璧であってよ、おほほ。大体何で私がそんな…
「本当だ、馬鹿かお前」
『なっ、佐藤さん!』
いつのまにか現れた佐藤さん。呆れたような、哀れんだような視線を向けられ、ため息をついてた。ため息つきたいのは私なんだけど。何で私が馬鹿扱い!
「お前、最近変だぞ」
『いや、完璧』
「…まあ元々変だが」
また深くため息をつく佐藤さん。
「その、なんだ、…すまなかったと、ちょっと思って」
佐藤さんのいきなりの言葉に、私は止まった。きっと私の顔はキョトンとしてるだろう。…え、今佐藤さんが謝った?
「…何とか言えよ」
『え、何で?』
「…だから、相馬の事で無責任に告白しろって、言っただろ…」
ああ、佐藤さんは責任感じてるのかな。ちょっと気恥ずかしそうな、申し訳なさそうな佐藤さん、面白いな。…じゃない。
『…ぶっ、』
「おまっ…!笑うんじゃねえ」
『あはははっ!!いや〜、ごめんごめん』
だってこんな佐藤さん、面白いじゃん!滅多に見れないよ!
『はー、…でもさ、佐藤さんにも皆にも感謝してるんだ。背中押してくれたしさ。そもそも告白したのは私の意識』
「………」
『むしろ日頃の私に対するあの暴力を謝ってほしい』
「…すまねぇ」
『えっ、いや…!本気で謝らないでよ!別に私が喜ぶMじゃないけど、そんな気にしてないし!むしろ怒って壊れる佐藤さん見るの面白いから!』
「まぁ、元気そうで何より」
『…目が怒ってるけど』
それ怒ってるよね、完全に。
だけどその後、佐藤さんが軽く笑ったから私も元気が出た。心配してくれたんだな、って。
佐藤さんも皆も、応援してくれて背中を押してくれたんだし、本当に感謝してる。ただ結果はこんなだけど、それは私のせいで。
『あ、でも考えてくれるみたいだよ。一応』
「…知ってる」
『それでもそれを弱みに話してくるんだけど!ありえなくない?』
「(やっと掴んだ弱みだもんな、相馬。だが、本当にいつも通りの馬鹿で良かったが…気の毒に思えてきた)
なあ、あえり」
『?』
「お前、本当に相馬が好きなんだな」
佐藤さんの言葉に再び止まった。
『それだよね、うん。それが間違ってるのかな?あんな性悪な…。なんて、今更それ聞く?
好きだよ。…心底悔しいけど』
悔しいけど
(…本当、心から悔しいよ)
(まあ、何だ。頑張れ)
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久々に管理人登場です!
覚えてるでしょうか!
早くももう19品目!ここまで読んで下さって、ありがとうございます!感謝しきれない限りです!m(_ _)m
それでは、再び現れる時にまた。感想やアドバイスもお待ちしております!
改めて、ありがとうございました!