点と線で恋。

□反撃開始!
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    18品目!
      反撃開始!





「と、言う訳で〜。彼をドキドキさせて振り向かせよう作戦!」

『おー』





「…今日は騒がしいな」

ホールから聞こえてくる声に、佐藤君はため息混じりにそう呟いた。

今日は客もいないし、暇だけど。ホールの方で賑やかにしているのは全て聞こえてくる訳で。勿論、俺を振り向かせよう作戦なんかも丸聞こえなんだよねー。


「…相馬、あえりを振ったんだな」

「別に振ったと言うより、考えるって言ったつもりなんだけど」


「俺はてっきり、相馬もあえりの事が好きなんだと思ってたが…」


佐藤君はあえりちゃんを見ながら、少し申し訳なさそうな表情を浮かべた。うん、その顔最高だよ!佐藤君のそんな顔、滅多に見れないからね。

ああもう色々と面白い!



「て言うかね、佐藤君」

「なんだ?」

「俺、あえりちゃんの事好きだよ?ちゃんと恋愛感情で」



佐藤君は「は?」と言わんばかりの顔付きで固まってる。そりゃそうだよね、だったら何でOKしないのかって話しだもん。



「だってさ、俺まだあえりちゃんの弱みも屈辱的な顔も見れてなかったじゃない?あ、今では徹底的な弱みも握れたんだけどね」

「………」

「でもさすがにあえりちゃんが告白してくるなんて驚いたよ。あの時のあえりちゃんは可愛かったな〜」

「………」

「俺はあえりちゃんは佐藤君が好きなのかと思ってたからさ。今まで知ってた佐藤君に、苛立ちを覚えるぐらいだよ。でも俺が好きで安心はしたかな」

「………」

「とにかくさ、こうなった限り、とことんあえりちゃんをからかって俺のに出来るって訳だよ!」


「…相馬、お前って奴はどんだけ性格悪いんだよ」



性格が悪いかどうかは知らないけど。

たださ、もうこうなれば俺のもんだよね!あえりちゃんは俺の事が好きで、俺はあえりちゃんの屈辱感を与え放題できる。しかもあえりちゃんは、俺以外誰も好きにはならないだろう。そう仕向けるだけだし。


その為に、考えるなんて曖昧な返事をしたんだから。


もう、俺の勝ちだよね。


まあこんな事も、付き合えばできることなんだけどね。







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