点と線で恋。

□甘くないパフェ
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   16品目!
     甘くないパフェ





今なら言える…この気持ち、今なら伝えれるはず。

ずっとずっと溜め込んで来た気持ちを。素直に、真っ直ぐ、全部。



『そっ、相馬さん…!』

「どっどうしたの、そんなに慌てて…」


きっとゼーハーと息を荒くしているからだろう。畜生!短い距離を全力で猛ダッシュした意味は一体何だったんだ!

とりあえず息を整えなければ!と思って、深呼吸を繰り返していると相馬さんがにこやかに話してきた。



「それで、佐藤くんに告白するか決めたの?」


刹那、私の肺は一気に空気を溜め込んだ。

そしてそれを少しずつ、吐き出していった。



「佐藤くんも罪だよねぇ。轟さんを好きでありながら、他の女の子に好かれる真似をするなんてさー」

『……、か……』

「?」


『相馬さんの馬鹿!!』

「うわぁ、本当いきなりだよね」


何事にも応じないこの態度。態度がムカつく。



『ははっ、もういいよ』

「え、何が?」

『うふふ』


何を言っても佐藤くん、佐藤くんって。

私は優しい笑みを浮かべた。そして次に、




『何で自分の事はそんなに鈍感なんだよ馬鹿!』


物凄い怒り顔に満ち溢れたであろう。

相馬さんの首を絞めながら叫ぶ私。これでも力はある方だ、相馬さんは苦しみもがいてる。



「ちょっ…!首!首、絞まってるからッ!死んじゃうって!」

『よく聞け!私が好きなのは佐藤さんじゃないんだよ!』

「わっ、分かった…!分かったから!そろそろヤバイよ!」


そして相馬さんの首を解放してやると、相馬さんは落ち込んだように地面に鬱むせになった。


息を整える相馬さんを見て、私は思う。



『…自分の事かもって、思わなかったの?』

「…え?」


『わ、私が好きなのは相馬さんなんだって言ってんの!!!バカ!!!』



息が整った相馬さんは、マヌケ面を私に見せつけ…見せた。

マヌケ面、か。もうこれは自分だって一度も考えた事がないと言う証拠だろう。


…あはは、だよね〜。気付く訳ないんだもん、はは!分かっていた。分かっていたんだ。



『あははは、はは!は!……、は…』

我ながらこんな時に思いっきり笑うなんて、おかしいと思う。だけど今は複雑な気分。


…も、もう相馬さんは私が相馬さんを好きなのを分かってる訳で。それはつまり告白になったのか!?えっ、じゃあその後はどうすれば!?

確か少女漫画じゃ、ここで付き合ってピンク色に包まれてたような…。

いや!いやいやいや!
想像出来ない!そうならない自信がある!じゃあ振られるのか…?


すっかり私の頭はパニック状態になって、挙げ句の果てに気分が落ち込んだ。憂鬱な気分…。




『えっ、…ととと!だっ、じゃっ、じゃあああぁあ!!』


とりかくその場を立ち去ろうとして、私は猛ダッシュで逃げた。





 **





あえりちゃんが猛ダッシュで走って行った後、俺はただ呆然と立ち尽くしてた。


え、あえりちゃんの好きな人って佐藤君じゃなくて…俺?って事になるよね。今のは。
しかも告白されちゃったんだけど、俺…俺…



「…相馬さん、どうしたんですか。そんな廊下の隅っこでうずくまって…」

「小鳥遊くん、どうしよう俺…何か今世紀最大に恥ずかしいよ…」

「はぁ…」


何て恥ずかしい勘違いを…!今なら恥ずかしくて死んじゃうくらいだよ!ああっ、恥ずかしい!




「…でも、面白くなりそうだよね」


俺はそう呟き笑った。


「ね!小鳥遊くんっ」

「そ、そうです…ね。(切り替え早)」




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