点と線で恋。
□恋心、行方不明
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恋心、行方不明
「どうしたの!?マグロを引きちぎったみたいな顔だよ!!」
物語の始まりが、こんなのでいいのか。引きちぎったマグロって…、果たしていいのか。いや、良くない全然よくない。と言うかどんな顔だよ。
強いて言えば全て狂ってる!
『そう、狂ってるんだよ!!』
***
「ほー、ナルホドナルホド」
先ほどいきなり怒鳴り、ぽぷらに飛びかかったせいか、ぽぷらの要素は結構な程にぐしゃぐしゃだった。
それでも何処か楽しげなぽぷらを見て、とりあえずそれは一件落着。…なんで楽しそうなんだろ?
「つまりー、この《恋愛診断 〜あなたの気持ちが丸わかり〜》を、相馬さんで試してみたんだ?」
『うん遊びでね。あとさ、少年ジ○ンプ系ばっか見てたけど売り払って少女漫画みて考えた』
「それで考えた結果、恋してたと!」
もう死ぬほど笑った。笑い疲れてもう笑えないぐらい笑った!
一応、漫画やアニメやドラマを見て学んだ恋の知識で、なんとなく恋や恋愛感情について理解したつもり。
ただそれが自分に当てはめるとどうも想像ができない。
ましてやあの相馬さんと…!相馬さんと私が…!
『あははっは!ありえないっ、狂ってる!笑える!』
「の、割に笑ってないけど…」
笑えてなかったらしい。
『…いや、だって間違ってる。どう考えても』
笑えてなかったらしい自分の顔面に手で確認してみる。ああ、やっぱり笑えてなかったらしい、口角がガッツリ下がってる。おまけに眉間にシワが寄ってるみたいだった。
それもこれも、この診断と漫画のせいだ。畜生!紙切れの分際で!
そんな私を見てぽぷらは首を傾げてた。
「何で間違ってるって思うの?」
『だって!あの相馬さんって…!!』
ありえないじゃん!、と叫ぶ。そのせいでワグナリア全体に私の声が響きわたり、後で小鳥遊くんに怒られるハメになるのであった。
や、そんな事いまはどうでもいいんだよ!
頭を抱えて考え込む、と言うより唸り込むの方が合ってるかも知れないが。ああっ、頭が熱い。
「…何もおかしい事なんてないんじゃないかなぁ?」
『…、と言うと?』
「あっ、私休憩終わりだから行くね!頑張ってねっ、あえり!」
『ちょ、ぽぷーーー』
ら、とまでは言わしてもらえず、一人取り残された私。
くっそう、紙切れめ…!一生呪ってやる、破れてしまえ、あんなページ!
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