点と線で恋。

□恋心、行方不明
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   10品目!
     恋心、行方不明







「どうしたの!?マグロを引きちぎったみたいな顔だよ!!」



物語の始まりが、こんなのでいいのか。引きちぎったマグロって…、果たしていいのか。いや、良くない全然よくない。と言うかどんな顔だよ。
強いて言えば全て狂ってる!




『そう、狂ってるんだよ!!』





 ***




「ほー、ナルホドナルホド」


先ほどいきなり怒鳴り、ぽぷらに飛びかかったせいか、ぽぷらの要素は結構な程にぐしゃぐしゃだった。
それでも何処か楽しげなぽぷらを見て、とりあえずそれは一件落着。…なんで楽しそうなんだろ?



「つまりー、この《恋愛診断 〜あなたの気持ちが丸わかり〜》を、相馬さんで試してみたんだ?」

『うん遊びでね。あとさ、少年ジ○ンプ系ばっか見てたけど売り払って少女漫画みて考えた』

「それで考えた結果、恋してたと!」




もう死ぬほど笑った。笑い疲れてもう笑えないぐらい笑った!

一応、漫画やアニメやドラマを見て学んだ恋の知識で、なんとなく恋や恋愛感情について理解したつもり。
ただそれが自分に当てはめるとどうも想像ができない。


ましてやあの相馬さんと…!相馬さんと私が…!




『あははっは!ありえないっ、狂ってる!笑える!』

「の、割に笑ってないけど…」


笑えてなかったらしい。





『…いや、だって間違ってる。どう考えても』


笑えてなかったらしい自分の顔面に手で確認してみる。ああ、やっぱり笑えてなかったらしい、口角がガッツリ下がってる。おまけに眉間にシワが寄ってるみたいだった。

それもこれも、この診断と漫画のせいだ。畜生!紙切れの分際で!

そんな私を見てぽぷらは首を傾げてた。



「何で間違ってるって思うの?」

『だって!あの相馬さんって…!!』


ありえないじゃん!、と叫ぶ。そのせいでワグナリア全体に私の声が響きわたり、後で小鳥遊くんに怒られるハメになるのであった。


や、そんな事いまはどうでもいいんだよ!

頭を抱えて考え込む、と言うより唸り込むの方が合ってるかも知れないが。ああっ、頭が熱い。




「…何もおかしい事なんてないんじゃないかなぁ?」

『…、と言うと?』

「あっ、私休憩終わりだから行くね!頑張ってねっ、あえり!」

『ちょ、ぽぷーーー』


ら、とまでは言わしてもらえず、一人取り残された私。



くっそう、紙切れめ…!一生呪ってやる、破れてしまえ、あんなページ!






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