点と線で恋。
□子供に恋なんて早過ぎる
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とある平日の昼下がり…
「あえりってほんと子供だよね」
事件は友人のその一言によって始まったのでありました。
8品目!
子供に恋は早過ぎる
『わっ、わわ私のどこが子供だ!もう立派なレディ!』
学校にて私は大声を上げた。受け入れたくもない事実があれば皆こうな…いや事実なんかじゃない!
もう誰がどう見てもレディでしょ!って言ったらチョップされた。
「あえりさ、馬鹿で超鈍感だし。アホだし脳天気で自由人だし」
なんとも1人の友人に言われた事に対して、周りの皆も納得のいった様に深く頷く。
「てか恋とかしたことあるの?」
『恋…、の意味自体よく分かんない』
クラス一同、私に向けて笑みを向ける。まるで笑い声のシャワーをあびるように…。つまり私は笑い者。くっそう!何で笑われてるんだ!
「やっぱり子供だねー」
「バイト先にとかいないの?」
『何が?』
呆れたような顔を向ける友達達。…何そのどうしようもないような目付き。
「好きな人!!」
好きな人…。
『皆好きだよ!』
「違う!そう言う好きじゃない!!」
「恋愛感情!!」
『レンアイカンジョウ…』
って何だろう?
とうとう飽きれ果ててしまった様子の友達は思いっきり倒れ込んでいた。「いい?アホなあえりでも分かるように言ってあげるから」と友達は言った。どうしてそんなにアホ扱いされなきゃいけないの!?
「恋愛感情ってのはね、その人が好きで好きで堪らなくなるの。楽しかったり、嬉しかったり…憎くたり!その人の事を考えると心臓が破裂しそうになるの!」
楽しい…嬉しい…憎い…。
心臓が破裂…。
***
『佐藤さん!』
「何でお前はいつもキッチンに来るんだ。仕事しろ」
それはいつもは暇だから!って、今はそんな事言ってる暇はない。今回ばかりは大事件だ。
『私って子供!?』
「………」
『アホだの鈍感だの子供だの、散々言われたんだけど』
「………」
『あと恋音痴や無自覚だって!』
「………」
『あ、そう言えばこの間佐藤さんにも言われたっけ』
「ああ、言った」
『チッ…。じゃ何で子供!?』
「お前の友達に同じく」
あんまりだ。
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