点と線で恋。
□子供に恋なんて早過ぎる
3ページ/3ページ
休憩室にて溶ける私。
まるで収穫ゼロ。お手上げ、恋が分かんない!
『はぁー…悔しい眠たい頬っぺた痛い』
まひるのストレートは効いた。まだ痛む頬っぺたを触ってみたら、何とも言えぬ痛みに唸り声をあげた。
「その調子だと、上手くいってないみたいだね」
相馬さんの声が聞こえた。
台詞がうざい、憎たらしい。声が楽しんでる。
『…相馬さん』
「って…どうしたの、その頬っぺた!?」
机に顔を伏せていた私は顔をあげた。するとまともに私の顔をみた相馬さんは急に驚き始めた。つい反射的に私も驚いた。
『えっ何!?』
「何って…、すごく腫れてるけど…」
ああ、きっとまひるに殴られた所だろう。想像以上に私の頬っぺたは腫れていたらしく、納得がいく。
『何故かまひるに殴られた』
「あえりちゃん、性格男っぽいからじゃない?」
『嘘だね、私レディだもん』
「ないね。五分五分じゃない?」
即答!?て言うか五分五分って何!って男っぽいんだ、私って。レディだと思ってたのに。いや、思ってないけど。(だからおっさん何て言われるのかな)
すると相馬さんが何かを探して、私の頬っぺたを軽く触った。『痛い!』と心で叫んで目を強く瞑った。
「はい、出来た」
『………』
頬っぺたには冷たい感触。ひんやりしてて気持ちいい。
『湿布?』
「そうだよー」
『…あ、りがと』
相馬さんは「どういたしまして」と笑ってみせた。…心配してくれたのか?
胡散臭くなく見えた笑顔に、心臓が一つ、大きく鳴り響いた。
あれ…何これ。
『ちなみに相馬さん』
「んー?」
『相馬さんは恋してる?』
この前に相馬さんからは恋について聞いた。(よく分かんなかったけど)
「どうだろうねー」
『ケチるな!』
「秘密」
『じゃあ恋の意味教えて』
相馬さんは少し(笑顔のまま)考えたように止まった。そしてまた爽やかに見える笑顔で、
「あえりちゃんみたいな子供には、まだ恋なんてしなくていいんだよ」
子供に恋なんて早過ぎる
(あの様子じゃあえりちゃん、当分恋なんて出来ないよね)
((何で相馬もあえりも俺に言う…))
(まだまだあえりちゃんも子供だねー。むしろ恋なんてしなくていいんだけどね。
それより早く弱味見つけないと)
_