点と線で恋。

□今世紀最大の奇跡
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『づ…づがれ、た・・・!』


人もひけてキッチンにて全員集合。ぐったりする皆、勿論私も倒れ込む訳で。



『今すぐにでも寝れ…グカー』

「あえりちゃん、しっかり!」

『はっ!寝てた。』


一瞬寝てた。起こしてくれたのは八千代さん。何時の間に来てたんだろ?ついさっき来たのかな。



「で、結局…。まひるちゃんのフォローを葵ちゃんがやって、ぽぷらちゃんだけじゃ回せられなくて、キッチンの二人がフロアに出て…。で、次はキッチンに手が回らなくなって、まひるちゃんがキッチンを。…一周したわね」

「あ、あまりに申し訳なくて…!」

「人もひけて来た意味なかったな。すまん、八千代」

「いいえ!私は全然!」


「あの…す、すいませんでした…!私のせいで…」

まひるはまた目に涙を浮かべて深々と頭を下げてる。


「…別に」

「伊波さんキッチンやってくれたしねー」

「悪いと思うなら、さっさと男嫌い直しやがれ」

「はいっ。すいません…!」

「気にしないで。佐藤君、別に怒ってるわけじゃないから。お客さんの前に出るのが恥ずかしかっただけで…。痛っ!」



佐藤さんが相馬さんを蹴った。

相馬さんも佐藤さんも、きっとまひるのフォローなんだろう。優しいなぁ、とこの光景を眺めていたら相馬さんと目があった。




「ね、真城さん」

『っ』

急に名前を呼ばれて驚いた。…って感じじゃない。何か、心臓辺りが大きく痛んだ。…何だこれ。




「頑張ってたね。まさか真城さんがあそこまで出来るなんて思ってもいなかったよ!」

『…え?』

「あぁ、俺も驚いた」

「あえりじゃないみたいだったよ!完璧だった!」

「私も来た時は驚いたわ!あえりちゃん、かっこよかったもの!」

『えっ、ちょっ何!?』


何の話しか全く分からないんだけど!ついていけない!
聞くからに褒められてるっぽいけど…



「俺も驚きました」

『うわっ、小鳥遊くん!』


いつの間にかキッチンに顔をひょっこりと出していた小鳥遊くん。今さっき来たのか私服だった。
小鳥遊くんは信じられない物を見たかのように私を見て近づいてきた。



「俺、さっき店の前通ったんですけど…真城さんがちゃんと働いてるのが見えて…!一瞬俺まで風邪引いたのかと…!」


えっと、大体分かった。きっと皆は私が(珍しく)ちゃんと仕事してたからビックリしてるんだ。

褒められてるんだろうけど、小鳥遊くんのは素直に喜べない!だから一発パンチを喰らわせた。




「いてて…。それより皆さん、お疲れ様です。すいません、急に休みもらっちゃって」

「仕方ないよ、妹さんが風邪じゃねー」


妹ちゃんの風邪も大分よくなったみたいで、何か手伝える事はないかと来たらしい小鳥遊くん。

手土産まで持ってきた小鳥遊くんはすぐ店長に許された。



あー、私もお腹空いたなぁ。





「はい、真城さん」


目の前に差し出されたのは大好物の一つであるパフェ。

さらにパフェの上へと視線をあげるとニコニコした相馬さんの姿。



「ご褒美。いるんでしょ?」


あぁ、そう言えば…仕事出来たらご褒美頂戴って言ったっけ。覚えてたんだ。



『いる!』

「頑張ってたもんね」

『・・ありがと!』


うん、とまた笑顔を向ける相馬さん。そして一瞬にしてなくなったパフェ。



今日はいつもと違うワグナリアで、面白かったなぁ。疲れたけど。皆に褒めてもらえたし!これで少しは私の素晴らしさを理解したことだろう、うん。




「真城が仕事か…」

『あら佐藤さんったら。まだ私を褒め称えたくて?』

「チッ。明日は砂糖でも降るかな」

『舌打ち⁉砂糖って…!』








   今世紀最大の奇跡

(真城先輩!また割って!ちゃんと仕事して下さい!)
(あれ、昨日は出来てたのに!)

(本当、昨日の真城さんは奇跡みたいなものだよねー)




ーーーーーーーーーーーーーーーーー**アトガキ

やれば出来るヒロインを書きたかったんだが。

次からは本格的なラブコメ!(笑)な、ハズですww
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