点と線で恋。
□ストーキング
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「あ、起きた?真城さん」
目が覚めると目に入り込んできたのは休憩室。あと見慣れた青髪。
『これはどうもどうも。殺人でも犯す気?』
「失礼だなー。真城さん寝ちゃってたみたいだけど、あれは冗談。からかったの」
『当たり前でしょ。マジで言ってたらもう全力で関わんないから!』
そっか、あれから寝たんだっけー。そう言えば葵とぽぷらはどうしたんだろ。
何て考えて不意に隣に目を向ける。何か相馬さんがこっち見てニコニコしてる。
「真城さんが男子更衣室なんかで寝てるから、他の人困ってたよ」
『へえ』
「もう真城さん、変態扱いだねー」
『うっそ』
「しかも俺をストーキングなんて、バレたら完全な変態だよ」
『あははは!変態って!バレたらも何も、相馬さんをストーキング何てしたくもなかったし!』
駄目だ、お腹痛い!面白い!変態扱いって…!
「………」
『はー、面白い』
「………」
『どうしたの相馬さん』
「本当、真城さんって面白いよね」
『それほどでもあるかも』
相馬さんはニコッと笑って休憩室を出て行った。いきなり面白いとか褒められて。…何、だったんだ?
『…お腹すいたな』
***
これであの馬鹿な真城さんが脅しているのに気付く訳ない。って言うのは分かってたけど…
『あはははっははーは!!』
まさか爆笑されるなんて。
流されるか理解しないかだと思ってたんだけど。
「佐藤くん。やっぱり真城さん、気づかないんだけど」
「ほー。ある意味勇者だな」
弱みを握って屈辱的な顔を見てみたい。あの馬鹿で単純な表情の裏側を見てみたい。
ガッシャーン!!
「真城先輩!いい加減にして下さい!!」
『ひーっ!ごめんって!!』
「逃げるな!」
『かたなし君怖い!顔怖いって!!』
ホールから聞こえてくる大きな声。
「またやってるな」
いつもホールから聞こえてくる声とガラスの割れる音は、紛れもない真城さんの声。と割ったガラス。
その音を聞いて、俺はくすりと笑みを浮かべる。
「うん。やっぱり真城さんは面白いよ」
ストーキング
(さてと。真城さんの弱み見つけなきゃね)
(仕事しろよ)
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