点と線で恋。
□何なのか言ってみて?
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男でも夢じゃないかって思う時くらいあるよ。
まさに今。こう言うのも何だけど、あえりちゃんと付き合ったって表現が何かこう・・・しっくりこないって言うか。お互いには好き同士である自信はこれとなくあるし、俺だって大好きだけどさ。
だけどさ、あえりちゃんと俺がラブラブするなんて想像が出来ない・・・!
超今更だけど。
今日はあえりちゃんとシフト被ってるから、どうからかってあげようかな。
「おは『でさでさ〜!その後ったらもう私心臓バクバクで!本当に夢じゃないか今でも怖いんだけど!・・・は!佐藤さん!?これって今現実だよね!?夢じゃ、・・・痛!?何で殴った!?』
うわあ、何かものすごく嫌な予感がする。
今キッチンに出ていかなくて良かったって心から思った。キッチンの手前の廊下に俺は足をとめ、しばらく様子を見ることにした。
『私が走っていったらね!相馬さんったら私に行って欲しくないような目で好きだよって…!あああ思い出したらまた恥ずかしくなってきた!そんでそんで、私をその…っ、だだだ抱きしめて……っ、……キャッ!』
「キスされたのか」
『やっだ!佐藤さんったらスケベ!!キ、キキキ…チッスなんてしてないし!!…あいだ!痛いってさっきから!ちゃんと話聞いてる!?』
ああ、あえりちゃんは何て話しをしてるんだろう。俺も思い出して赤面してきた、穴があったら入りたいってこういうことだろうね。
というか、あえりちゃん馬鹿すぎでしょう。なあにその話。
しかも何で佐藤くんなんかに話しちゃってるの、君ってば。
もうこれ怒っちゃってもいいよね。怒ろう。
と、キッチンに入りかけた。
『でもね、本当に嬉しくてまだ夢見てる気分なんだ・・・』
「相馬のこと、すげぇ好きだったもんな。良かったな」
『うん!・・・大好き!』
なんて、君が言ってるから。
怒る気なくなったよ。あえりちゃんの可愛さに負けてしまった。本当になにこの子、可愛すぎる。
「俺がなんだって?」
『ギヒィ…!相馬さ…!』
キッチンに入りあえりちゃんの後ろから話しかけると、ビックリしたように奇妙な声をあげた。ギヒィって。
今の聞いてた!?と悟ったように顔を赤面させ、何故か格闘ポーズで構えたあえりちゃん。
「はい、ばっちり聞きました」
『な…!あ、あっそー』
赤面させたまま強がられても何の説得力もない。
こんなにもあえりちゃんの屈辱そうな顔を見た俺はすごく幸せです。楽しいです。
だけどね、「大好き」っていうのは、俺に直接言って欲しいな
俺が何なのか言ってみてよ
(ほら、大好きって言って)
(…!こんの腹黒!性悪相馬さん野郎!)
(バカップルが出来た。…うるさくなりそうだな)