点と線で恋。
□きこえた?
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もう、言った方がいいかも知れない。
あれからあえりちゃんの様子がおかしいのは、既に皆も気付いていると思います。
なんと接客が完璧です。オマケに営業スマイルが何とも可愛らしく見える。お客(男)の反応は当然いい。
お皿も割ってないときた。
とにかくあえりちゃんが変。って言うのは間違いなく俺のせい。
話しがしたいんだけど、あえりちゃんは俺と鉢合わせるのを避けてるみたいだし。
「う〜〜〜〜ん・・・・・」
って言うか俺は何がしたかったんだっけ。
最初はあえりちゃんの弱みを掴むのに熱心だったなー。そのあとあえりちゃんが佐藤くんの事を好きだって俺が勘違いして、嫉妬交じりで嫌がらせしてみたりね。
それから告白されたんだよね。
振った形になっちゃったけど。振った覚えはないんだけど。…と言うか何だろう、この妙な関係。
とは言っても全部俺のせい。
ただ最初はあえりちゃんの弱みを掴みたくて、ただそれだけだったんだと思う。
それが恋が知りたいだの、佐藤くんが好きなんだと(勘違いだったけど)弱みを握った時くらいから、俺があえりちゃんに恋してたんだと気付いた。
だけどそれはまだ曖昧で、ふわふわしたものだったに違いない。
真柴くんがあえりちゃんに告白した辺りだろうか。嫉妬と言うか、独占欲と言うか……。
「こんなのもう、あえりちゃんのこと大好きみたい・・・」
もったいぶらせてごめんね。
今から、伝えるから。
***
『相馬さんって私のこと好きなの!?』
「・・・・・」
『・・・・・』
「・・・・・」
なんて君が言うもんだから止まった。時が。俺が。
『あ、あはは…違ってたならいいんだ…!ふ、ふふっ。ごごごごごめん、さようなら!!!!』
えっと、これってどうしたらいいの?
あえりちゃん、猛ダッシュで走っていっちゃったけど。顔をボフッと爆発させて。
「・・・プッ」
本当、あえりちゃんは面白いよね。
「好きだよ」
・・・きこえた?
(俺の声)
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