点と線で恋。
□「俺はなんて、」
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「俺はなんて、」
山田さんを一人でデパートに行かせて、山田くんと鉢合わせしてしまったら厄介だ。山田さんを山田くんに合わせないようにしないと。
…まぁ、そこそこ広い店だけど、さっきの帰りにこのデパートに寄った山田君がなんとなくのどが渇いたので飲み物を買ってうろついている気がするんだよなぁ。
「あ、相馬さん。さっきの帰りにこのデパートに寄ったらなんとなくのどが渇いたので飲み物を買ってうろついていた所に!偶然だな!」
「君はわかりやすいね」
「何故だろう、よく言われる」
だろうね。
それからも山田くんが近くに来る度に山田さんを隠して、山田さんが戻ってきそうならば山田くんをまいた。とにかく山田さんを山田くんに合わせないようにした。
・・・山田って言葉が嫌いになりそう。
「あ、またまた相馬さん!よく会うな!」
「山田君、君はちょっとうっとうしいね」
「何故だろう、よく言われる」
結構しんどい。
正直あんまりいいことしてる気もしないし。
きっとあえりちゃんは『逆に相馬さんっていいことしてるの?』とか言い出しそう。
最近あえりちゃんバイト休んでるしなぁ。あえりちゃんがいるのといないのは全然違って静か。『赤点祭りだよ!ひゃっふー』とか言ってたっけ。はやくバイト来ないかな。
「そう言えば真城さんにも会ったぞ!」
ああ、なんでうっかり出会っちゃってるのかな。危なっかしいとは分かってたけど本当に危険!大人しく勉強してればいいのに。
「さっきまで一緒にいたんだが、置いていってしまったようだな」
・・・そう、勉強放り投げてデパートなんか来て山田くんとデートって訳?
俺の中の何かが既に限界に達したみたいで、思わず口を歪めた。
「あえりちゃんは俺のだよ」
残念だけど、山田くんにも、他の誰かにも譲る気はこれっぽっちもない。今あえりちゃんが俺のことを好きじゃなくても、それでも構わない。
あえりちゃんは、俺の。
山田くんがパチクリとしていると、別の方から大きな物音が。反射的にそっちに目を向けると、驚いた顔のあえりちゃんが立っていた。
『「えっ、……」』
あ、ハモった。
・・・じゃなくて、ええ!?何であえりちゃんがここにいるんだ!間が悪いにも程がある!
とにかく何か言わないと…
「あえりちゃ『う、うわああああぁああ!!!』
脱走した。
「お客様!商品を…!」
『ぎゃあああ!!すいませんんんん!!!』
なんて声が聞こえてきた。
追いかけようと俺も走り出したけど、あえりちゃんの姿は見失った。足はやっ。
「俺はなんて、馬鹿なんだ」
(さ、最悪・・・!)
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お久しぶりです、久々に管理人登場です。テッテレー
ラブコメギャグ要素を取り入れたかった・・・!もうナニコレ。ほんとすいません。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。どうか続きもよろしくお願いします(スライディング土下座)