点と線で恋。

□きっと君だけ
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   26品目!
     きっと君だけ




パリーン!!



『むふふ、ぐふふふふっ』







「…真城先輩大丈夫なんですか」

「あいつが大丈夫じゃねぇのは元からだ」

「そうですけど、最近情緒不安定になってないですか!?割ったお皿見て笑ってますよ!?」

「小鳥遊もそう思うか。泣いたり悪魔の笑み浮かべたり、死んだフナみたいな顔してたり」


「「一体誰のせいだか」」



変な笑顔を浮かべながら掃除をして(いるつもりであろう)あえりちゃん。挙げ句の果て皿を割り、それを眺めて笑う彼女は恐らく変人。

そんな様子を見てしまった俺達。佐藤君と小鳥遊君は俺を疑う、いや、絶対的な目で見つめてきた。




「俺のせい!?」


声を上げたら小鳥遊君に、当たり前でしょう!他に誰がいるって言うんですか!と言われてしまった。


うん、まぁ、俺のせいだね。だけどそれでいい。




「相馬、仕事しろ」

「痛っ、何で蹴るの!?俺一応怪我人なんだけど!」


「あえりの様子だと、上手くいったのか」

「…えー、別に何も発展してないよ?」

「…………」

「ちょっ、わざとでしょ!?無言で足踏むのやめて!捻挫悪化するから!」



***



昨日。
俺が伊波さんに殴られて怪我をする少し前。…だから、あえりちゃんが真柴君に告白されてるところ、かな。



「お前って意外と自分に関すること鈍いしバカだろ」

「それが悩んでる同僚に言う第一声…!?」


やめる、と言われてどうしようかと考えてる時に声をかけてきたのが佐藤君だった。

と言うかもうどうしようなんて考えてる時点で俺の頭はそれほど焦っていた。らしくないよね、焦るなんて。毎度あえりちゃんには困らせられるよ。



「あえりちゃん呆れちゃったんだと思うんだ、俺に」

「…どんだけ鈍いんだよ、お前。と言うかお前等。見てて腹が立つ」

「…え?」


「あえりはな、お前が真柴に妬いてむしゃくしゃしてんのを、自分が告ったせいだと思ったんだよ。だから告白を取り消せば元に戻るとあのバカな頭から考えついた訳だ」


………なるほど。
ってことは全部俺のせいじゃん。あえりちゃんも変な勘違いするよねー。どれだけ鈍いの?って俺が言えることじゃないけど。



「…佐藤君。俺ってつくづく鈍い気がしてきたよ」

「だろうな」

「とりあえず、あえりちゃんに話しに行ってくるよ」


早く誤解を取り消したい。そう思ってキッチンを出た時だった。




伊波さんって間が悪いよね…!特に俺に対して!



挙句の果て俺は捻挫。

その後、あえりちゃんが息を切らして走ってきたのには正直驚いた

だけど安心した。
こんな短距離を全力で走ってきてくれるのは君だけだよね、きっと。


そして『捻挫って子供か!』と理解し難いことを怒鳴られ俺はどうしようか悩んだ。そして出てきた言葉が、言い返すような口調。あえりちゃんが気まずくならないように。





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