点と線で恋。
□少女漫画的展開
1ページ/2ページ
24品目!
少女漫画的展開
さて、このお気楽野郎をどうしようか。
「あえりーーッ!!」
『陽平。優しく言うと余計にキツいだろうからストレートに言う。超ウザイ』
「どっちにしろキツくねえ!?」
こっちの気も知らないで…。なんてお気楽なんだ、陽平は!そのお気楽さ分けてほしい!こちとら恋心に忙しいって言うのに!
………ああ、そうだ。もう相馬さんを好きなのはやめるんだ。
「……!?あえり、泣いてんのか!?」
…あれ、私いつの間にか泣いてた?嫌だな、何で泣いてんだ。
ごめん。
あれは、私の気持ちには答えられないって意味だったんだろうか。
もう、私は失恋した。きっとそうだ。
『……何にもない』
「嘘つけ」
もう、相馬さんとは何もない。今までと同じ。その方がいい。
って、思ってるけど。
…だけど、やっぱりキツイなぁ。失恋したには変わりない。
『…うっしゃ!真城回復。もう元気!』
涙を拭き取り、陽平に笑顔を向けた。
***
マジでバカだと思った。今に始まったことじゃねぇけど。
俺がこんなアピールしてるってのに、あえりは気付かない。あの相馬先輩は会ってすぐに気付いたぐらいなのに。
「…好きな奴に、泣かされたのか?」
思い切ってあえりに聞いてみた。
『っ、なん、で…!?』
すると面白いぐらいに顔が赤く染まった。あー、この反応はやっぱいんのな。
あれからずっと気になっていた。相馬先輩が言ってたこと。あえりには好きな奴がいる。
それは一体誰だ?
俺であってほしい、なんて願ってる俺もいる。そんな可能性は、ほとんどないんだろうけど。ただ気になった。
それに、俺があえりの気持ちを奪ってやる。そんな気持ち。
あえりを泣かせるような奴には、負けない。
「……あえり、」
『んー?』
だったら俺が、そいつの事忘れさせてやる。
「俺と、付き合ってほしい」
_