点と線で恋。
□かち割ってやろうか
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23品目!
かち割ってやろうか
「…………ごめん」
相馬さんの口から、そう告げられた。
……ごめん?
何が、ごめん?何に謝ってるの?
小さく震え、俯いたままの相馬さん。
『…それは、何に対してのごめん?』
「…え、」
『昨日の事なら私が悪い。…だったら告白に対するごめん?忘れてって言ったはずだけど』
言ったはずなのに。
どうして引っ張り出してきてトドメをさすんだ。私はただ戻りたいだけなんだ。
…なんて、何て可愛くないんだ私。素直に言えないのが、結局の私だった。
「あえりちゃん、あのさ、告白の」
『っ、忘れてって言ったでしょ!忘れないなら相馬さんの頭かち割ってやろうか!?』
ほんと、可愛くない。
きっとこんな可愛くない性格だから、振り向いてもらえないんだろう。まぁ……今となっては忘れることだけど。
「えっ…、それは嫌だけどさ…」
『なら忘れて。もう金輪際!一切!この話はナシ!なかったことにして!』
納得のいかないようすの相馬さん。
…そりゃ、そうだけどさ。告白してきた人から告白取り消して、忘れて、しまいには頭かち割るなんて言われたら納得もいかないだろう。うん、相馬さんの気持ちはよく分かる。分かるよ。
『……やめるから』
「…………」
『相馬さんを好きなの、やめるから。これで元通り』
お願い、前みたいに笑って。
***
やめる、か……。
もう俺のことを好きでいるのをやめると、俺に宣言したあえりちゃん。
『だから相馬さんが他の人と遊ぼうと恋しようが、私は何とも思わない。オーケー?』なんて馬鹿げたことを言われてしまった。遊ぼうって人を遊び人みたいに…って今はそんなことどうでもいい。
……いや、一理あるかな。実際あえりちゃんで遊んでた訳でもあるし。嫌な言い方だけど。
あえりちゃんは俺が好き、そんな確信的な自信を持って俺は安心しきっていたみたい。
……そんな安心は、もう壊れちゃったんだけどね。
真柴君にも悪いことしちゃったなぁ。謝らないと。
…あえりちゃんにも…。
「どうしようかなぁ…」
薄く苦笑いを浮かべ、頭をかいた。
俺は本当に馬鹿だ。
かち割ってやろうか
(いっそかち割ってもらったら)
(馬鹿みたいな頭も治るかな)
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久々に管理人登場。
ここまで読んでくださってありがとうございます!はやくも23品目…。この辺は書いてて楽しかった、気持ちが交差するって感じで。
アンケの方に『余裕ぶってた相馬さんが焦るとこが見たい』と書いてくれていたのでそんな感じにするつもりです!(コメしてくだっさった方、ありがとうございます!どうでしょうかっ)←
最後になりましたが、本当にここまで読んでくれてありがとうございます。続きもよろしくお願いします(土下座)。