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□D・R・O・P
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泣いたら駄目だ。
俯いて喉にせりあがる熱い塊を飲み下す。
泣いたらきっと君はもう二度と一緒に立ち向かってくれないだろう。……何に? 運命に?
家族も友もこの街も何もかも捨てて君と逃げようか、傷を舐め合う仔猫のように生きていこうか。

……ただそうするには君は。

だから僕は唇をきつく噛みしめる。




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