好きな食べ物、みかんゼリー

□てるてるぼうず
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――ボッスンside――
ザァ――――…

外では雨が降っていて止む兆しもない。
そんな荒れ模様の空を眺めているのはあきだった。

「あ――…もう…!傘持ってきてないのに…」
「仕方ねェよ。だって忘れたのはオレ達だし…」

今日オレ達は降水確率80%なのに傘を忘れこうして部室で雨が止むのを今か今かと待ち続けている。
――――まぁ全く止まないのだが。

「はぁー…なんで忘れちゃったんだろ…確かに寝坊して慌てて出てきちゃったからなんだけど…まさかこうなるとは…」

と嘆くあき。
確かにこれは最悪な状況だがオレは最悪よりもあきと同じ時間を過ごせるというこの上にない喜びを感じていた。
…ってか嘆く姿も可愛いな!オイ!抱きしめたい!
とか考えていると
「ボッスンってさ、不思議だよね」
と唐突にあきの声がした。
「そ、そうか?」
「うん!なんかボッスンといればどうにかなるかっ!って気がするから」

そんな事考えてくれたのは素直に嬉しい。
これはあきがきっと何気なく発した言葉なんだろうがオレに事を気に留めていると考えたらきゅんとした。

「でも確かに雨って憂鬱だけど意外と好きかも」
「たとえばどこが?」
「だってなんか静かで落ち着くし」


あきはそう言いながらボッスンの隣に座った。
「あ!でも帰れないのは困るから早く晴れてほしいな!」と付け加えるようにあきは話した。
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