好きな食べ物、みかんゼリー
□夏色
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季節はまさに夏一色。
外では蝉がないてるし、太陽がとてもギラギラしていてとにかく暑い。
オレはその暑さから避難するためにいつもと変わらない部室に居た。
「あ゛ー…あちいな…」
何もする気がしないオレはだらだらとしていた。
ガラッ「暑い〜…あ。佑助も居たんだ」
そう言うはオレの幼馴染みでもあり部員のでもあるあきだった。
「ま、まあな!ここ以外と涼しいし」
「もしかして佑助も暑いから来たの?」
「あぁ。…って事はあきも?」
「うん!なんか凄いね!シンクロした感じ」
クスクスとあきが笑った。
オレはこの笑顔が昔から好きだ。愛想笑いでもないし裏表もないあきの素直な笑顔。
その笑顔を見るとオレはとても嬉しくなる。
――そう、オレはあきに恋をしている。
「今日ホント暑いねー」
「おう。」
といったように意識してしまって素っ気ない返事しか対応できなかった。
…でもそこは昨日までのオレ。
今日こそは告白してやる!
…なんて心の中で想っていても現実問題、上手くいかないようになっている。
考えているうちに
(ずっとこのままなのか…?)
という疑問が浮かんできた。
確かにあきは可愛いし周りの評判もいいしモテる。
これから彼氏ができて、結婚して…なんて考えているうちになんか嫌な感じがした。
その考えが鍵となり、オレは告白する事を決意した。
「あ、あのさあき…」
「ん?どうかしたの佑助」
となにも知らないあきのキョトンとした顔を見てまたもや心を折られそうになるが何とか堪えた。
「お、オレ…ずっと…」
鼓動が速くなってうるさい。
涼しいはずの部室なのに熱い。
その羞恥に何とか耐え、勇気を振り絞った。
「ずっと…ずっとあきの事好きだった!付き合ってくれ!」
緊張して無駄に声がでかくなるし告白した後の間の気まずい事。
なんか判決を言い渡される被告人みたいな気持ちだった。
少しの間があいてあきが発した言葉は
「ほん、と…?」
ととても驚いたように目を丸くしてこっちを見つめている。
「…ほんとだ。今更嘘、つくわけねえだろ。」
「…い。嬉しい!私も佑助の事が好き!」
と感激してあきはオレに抱きついてきた。
嬉しいような恥ずかしいような気持ちでいたけど両想いって事がわかってオレもぎゅっと抱きしめた。
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