寝ていたい

□二
1ページ/7ページ




自室で魔法の研究に勤しむ俺

秘薬の材料は無いが
ボケ爺の残した遺品には少しだが、マジックアイテムや魔導書などもあった


魔法とは

杖を媒介に精神力を使い
ルーンを通して現実に作用する


コレを理解するのに二冊

無駄に自慢が多い魔導書ばかりだ
書いてるのが貴族だからか?


パラパラパラ

ポロッ


「……ん?」

本から何か落ちた

「アリヤへ?

…祖父より?」


墓の中の人に呆けて手紙でも書いたか?

……いや、俺宛てだな


"ファーネス家四男
我が子
アリヤ・ド・バロン・ファーネスへ


私は罪深い男だ

私は病んでいたとはいえ、妻と娘を重ね
気が付けば娘は気を病み

お前がが産まれた

この手紙を書いている私は正気だ

あの無能な義息子が秘薬を用意した

あやつは
男爵位ながらも、歴史有るファーネス家の汚点だ

婿に迎えた途端に汚職にはしり
"

後は延々と糞当主様の悪口


"
アリヤよ、私を許して欲しい

私の仕打ちでよくぞ死なずに居てくれた
母は気狂いだ
父たる私は死んでいるだろう

父役の現当主は屑だ

生きてくれ

私の出来うる手は打った"

以上です
「あほくさ

ウル・カーノ
『イグニッション』」


魂?
あるんじゃね?
俺が実際、二度目の人生を生きてるさ


元々恨んじゃいない


下らない死に方だったんだ
下らない産まれ方でいいさ



「まぁ……良い家に婿入りすればいいだろ」

少しは家名の足しになる




次へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ