寝ていたい
□二
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自室で魔法の研究に勤しむ俺
秘薬の材料は無いが
ボケ爺の残した遺品には少しだが、マジックアイテムや魔導書などもあった
魔法とは
杖を媒介に精神力を使い
ルーンを通して現実に作用する
コレを理解するのに二冊
無駄に自慢が多い魔導書ばかりだ
書いてるのが貴族だからか?
パラパラパラ
ポロッ
「……ん?」
本から何か落ちた
「アリヤへ?
…祖父より?」
墓の中の人に呆けて手紙でも書いたか?
……いや、俺宛てだな
"ファーネス家四男
我が子
アリヤ・ド・バロン・ファーネスへ
私は罪深い男だ
私は病んでいたとはいえ、妻と娘を重ね
気が付けば娘は気を病み
お前がが産まれた
この手紙を書いている私は正気だ
あの無能な義息子が秘薬を用意した
あやつは
男爵位ながらも、歴史有るファーネス家の汚点だ
婿に迎えた途端に汚職にはしり
"
後は延々と糞当主様の悪口
"
アリヤよ、私を許して欲しい
私の仕打ちでよくぞ死なずに居てくれた
母は気狂いだ
父たる私は死んでいるだろう
父役の現当主は屑だ
生きてくれ
私の出来うる手は打った"
以上です
「あほくさ
ウル・カーノ
『イグニッション』」
魂?
あるんじゃね?
俺が実際、二度目の人生を生きてるさ
元々恨んじゃいない
下らない死に方だったんだ
下らない産まれ方でいいさ
「まぁ……良い家に婿入りすればいいだろ」
少しは家名の足しになる